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エンデュランスロード — DEFY ADVANCED PRO 1 — レビュー2019年6月1日

 

DEFYシリーズが初登場したのは2009年。
OCRの後を継ぐモデルとして登場し今年で 10年目のDEFYシリーズは、
2度目のフルモデルチェンジを施されて登場しました。
今回はそんなDEFYシリーズの1台、
DEFY ADVANCED PRO 1、2019年モデルの実走レビューを交えつつ、
各部レビューしていきます。

2019 DEFY ADVANCED PRO 1
税別 ¥450,000-

 

—– エンデュランスモデルならではの独自技術 —–

GIANTのパフォーマンスラインアップの中で、
エンデュランスロードならではの特徴的な技術があります。

・D-FUSEシートピラー


もとはTCX用(シクロクロス向け)に開発されたD-FUSEシートピラー。
最大で前後に12mmしなることによって振動吸収性を高め、
悪路での操作性向上やロングライド時の疲労軽減に貢献しています。

 

・D-FUSEハンドルバー(カーボン製)


真横から見ると変わった角度で取り付けられている感じが否めませんが、
D-FUSEシートピラーで得られた実績をもとにハンドルバーを設計した結果、
このような形状と取り付け角度になりました。
そして、単にこのような形状に仕上がっただけではなく…


ハンドルバーの”しなり量”を調整することが可能になりました。
(まっすぐ引かれた線と、その前後にある三角形が調整の目印です。)


バーエンドと地面が90度になっていることを標準状態とし、
ここから±5度の範囲で前後の回転方向に角度を調整することで、
ユーザー様の好みに合わせて、微調整できるようになっています。
(ちなみに上記画像は標準位置で合わせています。)

まっすぐ引かれた線にステムの受け側を合わせると、標準のしなり量
COMPLIANCE側へ回転させると、しなり量少な目(硬い)
OPTIMAL側だと、しなり量多め(柔らかい)
に調整することができるようになっています。

結果、丸い形状のハンドルバーと比較し、
路面からの突き上げに対し快適性が10%改善
スプリント時にハンドルを引き上げる力に対しては剛性が30%向上しました。

 

—– より”DEFYらしく” —–

ここからは他のモデルでも採用されている技術も出てきますが、
先代DEFYも含め、更にDEFYらしく、アレンジしております。

・ワイドなタイヤクリアランス
700x28C GAVIA AC1チューブレスレディタイヤ、
SLR1フルカーボンディスクホイールを標準装備しつつ、
より悪路への対応力を上げるため、32Cタイヤへ対応したフレーム設計となっております。


オンロードが多いシーンでは28Cで、悪路が多めのシーンでは32Cで。
選択肢が1つ増えるだけで、今まで神経質になっていたシーンでも、
より安心して走行することが可能となりました。

 

・安定性の向上

大きくベントしたフロントフォークは路面からの衝撃を優しく受け止め、
荒れた路面でもしっかりとハンドリングすることができます。

 


BB周りは、POWER COREシステムを採用。
先代モデルと比較し、下方へ5mm位置を下げたBBは、
タイヤのサイズアップ(25C→28C)による重心位置の変化を打ち消しつつ、
ダンシング時やスプリント時の、ライダーからの強い踏力もしっかりと受け止め、
踏み負けることなくグイグイ進む設計になっております。

前後ともフル油圧ディスクブレーキ、スルーアクスルを装備。
従来のクイックリリースレバーよりも強固にホイールを固定することができ、
ディスクブレーキが生み出す強い制動力を受け止めます。ダウンヒル中では、
特にこの組み合わせが効いてきます!

後輪に装着されているスプロケットは、11-34T。
クランクセットは、34/50T。なんとギア比1:1を実現しています!
これで激坂も怖くありませんね!

 


サドルはCONTACT SL NEUTRALです。
ユニクリップシステムにも対応しているので、
テールライトやポーチ類の拡張性も確保しています◎

 


ステムはCONTACT SL STEALTH STEM
ステルスの名の通り、ケーブル類が内装式です。
Di2化すると、更にハンドル周りがよりスッキリします。
構造的には、機械式よりもDi2向けの仕組みですね。
組み換えのご依頼も承っておりますので、お気軽にご相談ください◎

 


推進力を受け止めるための剛性と走行時の快適性を高めるため、
独特な形状に仕上がったダウンチューブとトップチューブ。
艶ありのフレームに浮かび上がるロゴが、とても渋くてカッコイイです。

 

—– 唐津までの往復、100㎞実走を終えてみて —–

最初に感じたこととして、
やはりD-FUSEシートピラーとハンドルバーの衝撃吸収性能でしょうか。
例えば、道路上の白線に設けられたランブルストリップス(連続する小さな段差)、
今までは車体がガタガタと振動するので避けていましたが、
あえて突っ込んでみると、しっかりと車体をコントロールできるよう、
大きな衝撃をいなしつつ、必要な振動は残している印象でした。

また、ワイドレシオなギア比のため、登りも淡々とこなしてくれました。
いつもならフロントをインナーに落として登るような坂を終始アウターで走りきれたことには、
登り坂が大の苦手な私にとって大変驚きました。どんな道でも走り切ってくれそう、
そう思わせてくれましたね。

そして巡航性能です。エンデュランスモデルなので
もっとまったりとした走り心地を想像していたのですが
漕ぎだしも軽快で、時速30キロ以上での巡航速度が非常に維持しやすかったです。
剛性を持たせるべきところ(BBやヘッド周り)はしっかりと持たせ、
重心が後よりなことも相まり、リラックスして走っているつもりでも
時速30キロは切っておらず、思わずメーターを2度見したほどです。
衝撃吸収性能の高さのおかげで体力的に余裕があったことも影響していたとは思いますが、
100km走った後とは思えないほどの疲労感のなさで、
これほど楽に巡航速度を維持できるのであれば、
ブルべなどのロングライドイベントにも挑戦してみたいなと思いました。
そんなDEFYシリーズですが、前回レビューさせていただいたモデルともども、
かなり数が少なくなってきました。
店頭に試乗車(DEFY ADVANCED 2 , Sサイズ)もご用意しておりますので、
ご検討中の方や少しでも気になった方は、お気軽にご来店ください◎

 

スタッフ 有岡