ジャイアントストア高松
【スタッフインプレッション】TCR ADVANCED SL 0【ブラックラバ】2024年8月3日
こんにちは、ジャイアントストア高松のスタッフよしだです。
先月、自分用に注文していたTCR ADVANCED SL 0 ブラックラバが届き、200キロほど走ったので
僭越ながらインプレッションを書かせていただきます。
まずは車体スペックを…
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車体:TCR ADVANCED SL 0
カラー:ブラックラバ
重量:6.7㎏(サイコンマウント・ペダル・ボトルケージ込)
価格:¥1,540,000(税込)
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詳細スペックはこちら! TCR ADVANCED SL 0
CADEX MAX 40という新型TCRと同時期に発表されたハイエンドホイール、
DURA-ACEを搭載したTCRの正真正銘ハイエンドバイクです。
ブラックラバという特殊ペイントもかなりかっこよくお気に入りです。
一見すると黒なのですが、角度を変えると鮮やかな赤が輝いて見えます。
わたくし吉田、人生初のハイエンドバイクです。車体性能を生かし切れる若いうちに
ハイエンドを一台は乗っておこうという無謀な人生設計により購入し、以降もやし生活待ったなしです😢
後悔はしていません。
走った場所として高松市と坂出市のちょうど間にある山、五色台を3日間と
ハードな登りの愛媛県は上浮穴郡久万高原町、四国内最高峰の石鎚山を上ってきました。
ライダースペック
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ライダー:スタッフよしだ
体重:60.5㎏(インプレライド時点)
FTP:295w PWR:4.8w/kg
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他のインプレッションライダーの方々に比べるとへなちょこなのはお許しください。。。
前回のインプレと同様あくまで個人の感想ですので、生暖かい目で見ていただけると幸いです。
インプレッション
端的に言うと、
「TCR史上最速」を掲げる通りの至高のバイク。ただ、速さだけじゃない。
です。そう感じた理由をこれから書いていこうと思います。
総合的な感想と平坦・上り・下り・スプリントと各シチュエーションに分けて
インプレッションしていきます。
総合的な感想
陳腐な表現ですが、どんな場面でも速く快適です。
一昔前のハイエンドバイクにありがちな「乗り心地があまりよくない剛性が死ぬほど高いバイク」ではなく、
乗り心地は良く、バイク重量はかなり軽く、空力性能も相まってすべてのシーンで速いと感じました。
他のインプレッションで書かれているほどバッキバキの剛性かといわれると、
スプリント時以外は剛性の高さを顕著に感じる場面はなく、
踏んだ力は確実に受け止めるというパワー伝達効率の高さは感じるものの嫌な剛性の高さはありません。
フックレスかつワイドリムのCADEX MAX 40とCADEX GC TIRE 28cチューブレスシステムと
適度な”しなり”を持つISPなどのおかげで乗り心地は非常によく仕上がっています。
サドルもCADEX AMPサドルが標準装備と至れり尽くせりな装備で長時間乗ってもお尻にやさしいです。
完成車重量はペダル抜きで6.4㎏(Mサイズ)。ペダルをつけた状態でも6.7㎏台と引くほど軽量に仕上がっています。
走っていてバイク重量を感じさせない軽さを持ち、きつい上りもヒラヒラと上ることができました。
「上りのタイムにも重量より空力性能が大事!」と言われている状況ですが、「楽」に走るにはやはり軽量性が大事です。
平坦
しっかり速いです。さすがに昨今のインフレしたエアロロードバイクと比較すると落ち着いていますが、
オールラウンドバイクとしては120点の巡行性能を持っていると感じました。
CONTACT SLR AEROLIGHTハンドルバーが適度なフレア角でブラケットを握った際に自然と
エアロフォームをとることができ、巡行の姿勢を維持しやすかったのも印象的です。
第9世代から空力性能に力を入れ始め第10世代はそこから空力性能はさらに改善しているらしく、
ボトル2本を搭載した際の空力性能が最適化されています。
この性能は後述の下りでより一層強く感じる点でした。
登り
独壇場。水を得た魚。言わずもがな速いです。TCRの真価を発揮していたと思います。圧倒的な軽量性と
踏んだパワーを余すことなくスピードに変換してくれる卓越した重量剛性比で圧倒的に速いです。
乗り慣れた第9世代ADV PROとも第10世代のADV PROとも一線を画す速さを持っていると感じました。
実際、第10世代TCR ADV PRO 1で登った306w 19分30秒の上りを TCR ADV SL 0では309w 18分30秒と
大幅にタイムを更新しました。さすがに体重変化やパワーメーターの誤差、GPSの計測誤差もあるとは思いますが、それでも体感の速さと実際に縮んだタイムの一致は目を引くものがあります。
ADV PRO 1 でのタイム
ADV SL 0でのタイム
軽量性と空力性能、重量剛性比とトータルで頂上を目指して作られた車体だけあるなと感じました。
CADEX MAX 40ホイールのおかげもあり、漕ぎ出しから緩斜面、急斜面と
場面を選ばす一貫した速さを持った車体だと感じました。
下り
はっやいです。先日投稿したAVANCED PROに乗った際と同様に、
空力の良さから来ている、下りでスッと速度が伸びていく感覚は乗っていて楽しいです。
なんならスピードが乗りすぎて少し怖いくらいです。
CADEX GC TIREのグリップ力はかなり良く、コーナーでも直線でも安心感がありました。フレームやホイール、タイヤなど総合的なシステムのおかげで、車体重量は軽いのにがっしりとした安定感や安心感があるように思います。
CADEX MAX 40ホイールも40mmというセミディープなハイトですが、徹底的な実験により最適化されたプロファイルやフロント16本というリムブレーキ用ホイールと同等の本数の極太エアロスポークが従来の40mmハイトのホイールから一段階上の性能をもたらしてくれているなと感じる、さすがハイエンドといったホイールもアッセンブルされ、空力性能の向上に一役買っていると思われます。
スプリント
もがいてみたとき、他のインプレッションでこのバイクが固い硬いと言われる理由が初めてわかりました。
ADV PROでもがいた時はひと溜めあってから延びるような感覚でしたが、今回のADV SL 0は溜めがありません。スプリントのためにトルクをかけた瞬間に速度に変換される硬さを感じました。スプリントするまではそんな側面を見せなかったバイクだったので、とても意外でしたしびっくりしました。
ホイールのかかりもよく1000wを超えるスプリントでもフレームやハンドルステムがたわむ感覚は一切なく、圧倒的な剛性の高さを感じました。
公式HPに載っている
「爆発的な加速と揺るぎないペダリング剛性を実現」
という文言は一言一句正しいものでした。
ただ、この剛性感は普段シッティングで乗っている際にはあまり強く感じないというところが不思議です。剛性は高く、それでいて他のシステムのおかげで乗り心地はいいといういい仕上がりのバイクだと感じています。
終わりに
つたない乗り手のつたないインプレッションも終盤です。
新型TCR ADVANCED SLは、ピュアなオールラウンドレーシングバイクとして仕上がっています。
とても軽く、硬く、そして空力的にも速く走れるように作られた渾身の一台です。
しかしながらホビーライダーにも扱いきれる乗りやすさと走りやすさ、何より「楽さ」があります。
スプリントのタイミングで際立つ超高剛性も私を含めほとんどのサイクリストには必要ないかもしれません。
ですが何よりも軽く、楽に、しかも速く走れるバイクという点ですべてのライダーにお勧めできるバイクに仕上がっています。
重量は少しかさみますが(といってもフレーム自体が軽量)、105Di2でフレームセットを組めばフロント50-34リア11-36のかなり軽いギアを使える軽量オールラウンダーバイクができあがります。
まさに登りを「楽に」走れるかと思います。
「楽に」走りたい方にも「速く」走りたい方にもお勧めできる、懐の深いバイクだと感じています。
進化を続け第10世代という大きな節目を迎えるTCR ADVANCED SL はGIANTの持つテクノロジーやノウハウを
惜しみなくつぎ込んだ、すべてのライダーにとっての究極のバイクだと思います。
CADEX MAX 40とR9270DURA-ACEを携えたハイエンド車体であるSL 0
ULTEGRA Di2にSLR 0 40をアッセンブルしてコストパフォーマンス抜群のSL 1
好みの組み方、好みのフレームカラーで自分だけのバイクを組むフレームセットシリーズ
どれも間違いなくお勧めの車体です。ぜひご相談ください。
余談ですが、写真の中でわたしが着ているブラックラバカラーのウエア上下セットも好評発売中です。
サングラスもAGOSというジャイアントの新作です。ぜひご検討ください。
サングラスはこちら→ AGOS (Vividvis/Fotovis)
ウェアはこちら → Instinct SS LTD Jursey
以上、つたない感性と文章によるインプレではありますが、お読みいただきありがとうございました。
TCR ADV SL 0 ブラックラバは休日にしか乗らないため基本的に店頭に展示しております。ぜひご来店いただき、現物を見ていただけたらなと思います。
以上、ジャイアントストア高松のよしだでした。
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よしだ