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「オーダーメイドの手組ホイール」という選択2017年10月23日

みなさんこんにちは。
今日は久しぶりに店長の投稿です。

ご紹介するのはタイトル通り
「オーダーメイドの手組ホイール」です。

ホイールには、ロードバイク、トラック競技
マウンテンバイク、シクロクロスなど
様々な競技があり、また競技によって
リムの幅やハブ、ディスクブレーキ対応、
スポークの本数など、使途や体重によって
仕様や組合せが変わります。

今回はお客様よりご依頼いただいた
シクロクロス競技用ホイールを
写真と併せてご紹介します。

最近は特にディスクハブ仕様のパッケージに押され
完組ホイールのプロダクトは激減してきましたが、
今回はお客様のご希望で以下の条件に合わせて
オーダーメイドのホイールを制作いたしました。
・カンチブレーキ対応
・33mmのチューブラータイヤ対応
・できる限り軽量のアルミリム

と、いうことで下記の通りのパーツを使用しました。

リム:TNI CX-22 (リム幅23mmで33mmのタイヤ装着可能)
重量415g(軽量です)

文頭でも申し上げた通り、狙いは

「軽量 」

ただし目的に応じたギリギリの軽量リムを用いて
スポーク数は多く&スポーク同士を交差させた構成で編み上げ
ダメージに強く、タフで高剛性なホイールにさせました。

組み上げていく前に手組ホイールのメリットを一つご紹介
・スポークが1本くらい切れても走行可能レベルで収まり、
ニップル回しで応急処置して帰着できます。
・補修スポークの入手が容易

どんなパーツにも言えることですが、スポークも劣化していきます。
負荷や衝撃などに耐えられず破損してしまうことも珍しくありません。
高負荷で他の選手との接触などの
要素が増える競技用機材ならなおのことですので
シクロクロスにおいて上記のメリットは大きいです。

今回使用しているスポークは 「SAPIM」というメーカーの
「RACE」 2.0mm×1.8mm×2.0mmのダブルバテット型
(ダブルバテット=接合部の両端は太く、
軽量化のため中心の8割は細く仕上げたもの)

競技者からの信頼が厚く、様々なメーカーの足回りを支える
実績あるスポークメーカーです。

ハブはSHIMANOの105をチョイス
性能とコストのバランスを考慮しました。

張り上げるテンションや本数により
ホイール剛性のコントロールも可能です。


スポーク以外にも耐久性、メンテナンス性を考え
削れにくい真鍮のニップルを使用。

軽さやカラーバリエーションがほしい方は
アルミ製のこちらのニップルもお勧めです。

このようにせっせと 編むように組んでいきます。

 

締めこむ前はスポークは緩く円弧を描いている状態です。

張力がない状態ではホイールバランスが取れていない為
左右、上下に大きく揺れている状態になります。

ここから均等にじっくりと張力を増していきます。

「剛性、快適性、寿命」

等々、手組ホイールはそういったテーマに
ピンポイントに特化することもできますし
目的に応じたバランスで組むことが可能です。

リムセンター確認しながら張り上げます。

ホイールをしごき荒振れを出し、
振れ取り作業を繰り返していきます。

縦横0.1mm以下まで振れを無くします。

仕上げにシクロクロスレース用としてラフプレイでもめげず、
ライダーへのショックも考え剛性を中程度に、
コストにも配慮した¥37,800 (税抜)で組み上げました。
※店長のお暇な時期にお願いいたします。笑

他の依頼例ですと最近では高校生の競技者や
年間1万キロライダーからのアクシデントに強く
ロングライドでも乗り心地の良い仕様の
ホイールのオーダーが多いです。

多くの山坂、距離、激しいレースなどを走る方々は
目先の総重量に対するコストパフォーマンスだけでなく、
どのカタログにも記載されていない信頼性や剛性を求めて居ます。
※当店ではリム、ハブのチョイスにもよりますが、
4万円くらいから仕上げられます。

当店ではこんなオーダーメイドなサービスも行っております。
また、手組ホイールだけでなく他にも
「こんなことで困っているんだけど…」
などお悩みのことがありましたら是非ご相談ください。