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【スタッフのサイクリング】快適で速いDEFYに乗ってしまなみ海道弾丸往復してみました2024年9月22日

こんにちは。今治店スタッフの川村です。昨年のフルモデルチェンジによって大幅アップデートを実現したGIANTのエンデュランスロード『DEFY』

セカンドグレードにあたるADVANCED PROについては、以前、試乗した感想をご紹介しました。

【ロードバイク】新型DEFY ADVANCED PROに乗ってみました

そしてずっと待ち望んでいた機会がやってきました。

そう、同シリーズの最上級グレードDEFY ADVANCED SLの試乗です。DEFYシリーズでは2世代、6年ぶりに復活したADVANCED SLグレード。完全新設計となったフレームセットに最上級のカーボンコンポジットを採用し、フレーム各所のカーボン積層を一新することで、レースモデルのTCRに迫る重量剛性比を実現しています。加えて空力性能も高められており「快適で速いエンデュランスロード」として生まれ変わりました。

この滅多にないチャンス、ワクワクしないはずがありません。前回のDEFY ADVANCED PROでは50kmほどのライドでしたが、今回はもう少し長い距離を走るべく、しまなみ海道で今治と尾道を往復してきました。

スタート時間が午後3時なのはお約束。9月も下旬に差し掛かった時期、この時間で今治を出発して尾道を往復するとなると、あまりゆっくりはしていられません。なのでコンビニや自販機での補給以外、寄り道をせずに走ることに集中できます。つまりは割とガチな走りでDEFYを試せるということ。加えて猛暑日に出かけるハイペースライドは、日が暮れて涼しくなってからの方が身体のパフォーマンスが上がります。(まあ、ただ単に休日でゆっくりし過ぎただけですが)

標準32Cのチューブレスタイヤを装備するDEFYにわたしが乗る場合、体重と乗り味の好みを考慮して、タイヤの空気圧は3気圧に調整しました。こちらのFONDO 0というタイヤ。製品単体ではそれなりに重量感があり、どちらかといえば耐久性に能力値を割り振ったタイヤですが、不思議とこのDEFYに装着すると走行感が軽くなるんです。エアボリュームを活かした低圧セッティングで乗り心地がいいのは言わずもがな。多少舗装の荒れた路面も25Cや28Cなどに比べてトラクションに優れ、ペダリングロスは少なくかつ5%程度の勾配ならスルスルーッと登っていきます。

登りでの軽さをもう少し求めるようでしたら、リム内幅22mmのホイールに装着した際、タイヤ実測幅が30C程度になる軽量系タイヤを装着するのもいいですね。

ちなみに余談ですが。

別の日にCADEX 50 ULTRAとCADEX AERO 25Cタイヤを装着して、少しだけ乗ってみたのですがあれはヤバいです。超軽量でありながら極めて高い駆動剛性を誇るCADEX 50 ULTRAホイールセットとエンデュランスバイクのコンビネーション。おそらくレースシーン以外で最も扱いやすくする組合せではないでしょうか。ちなみにクリテリウムのようなレースでは、よりクイックな加速やコーナリングを得意とするTCRやPROPELの方がマッチしますが、ヒルクライムレースやグランフォンドのようなレースでしたらこのDEFYがフィットする人は多いでしょう。

外観も特徴的なオリジナルシートポスト「D-Fuse SLR」のしなり具合も秀逸で、タイヤ、フレーム、シートポストのそれぞれで振動吸収の役割分担をしている印象です。D-Fuse SLRのしなりはペダリング時にもわずかに発生している様子で、ペダリングとしなりのリズムがシンクロすると、巡航速度のゾーンに一層入りやすく感じました。

フレア形状(ブラケット芯-芯400mmドロップ芯-芯420mm)を採用したCONTACT SLR D-FUSEカーボンハンドルと、その形状によって若干内側に傾けられたシマノDi2のSTIレバー。数時間のライドでもエアロポジションを維持しやすく、個人的には新型TCRに標準装備されているブラケット芯-芯370mmドロップ芯-芯400mmのハンドルよりもロングライドで扱いやすく感じます。

一つ一つの細かい変速操作をほぼ小指一本でできる点がとても魅力。私の愛車TCRで使用している往年の機械式変速の場合。小さな橋を越えるアップダウンや風向き変化に対応する際、変速操作は面倒だしパワーと気合いで押し通る!という脳筋フルパワーな瞬間もあるのですが。そんな場面でも迷うことなく、ペダリング効率を優先して反射的に変速操作が可能なんです。

◇リアシフトアップ

◇リアシフトダウン
これがどんなにクリエイティブで効率的なことか。まさに電動変速コンポーネントあるあるではないでしょうか。嗚呼、素直に欲しい。

信号や一時停止などのゼロスタートから巡航速度に乗るまでの加速については、新型TCRやPROPELの同等グレードの方が当然カッチカチでキレッキレなのですが。そんな場面で全開ダッシュをする機会の方が稀なわけですし。ロングライドでは滑らかで軽く、ペダリングに対する脚あたりが絶妙なDEFYの加速感がジャストフィットします。

フレームに対してADVANCED SLフォークの軽さと剛性の主張が強すぎるように感じたDEFY ADVANCED PROよりも、車体全体のバランスが非常に良かったところも好印象。そういった点では、実は3番目のグレードにあたるADVANCEDも乗り味が良かったりします。

ひとたび巡行速度ゾーンに到達すると、ADVANCED SL特有のカッチリ芯があるペダリング剛性と、レースモデルとは一線を期す抜群にいい直進性。そして路面の細かいギャップに推進力を奪われることなく、車体各部の空気抵抗削減効果も相まって程よい強度感で走り続けることができました。

速さについては数値的な部分を詳しく見てみると納得できます。ここでは「硬くて軽くて速い」レースバイクとして評判の新型TCR ADVANCED SLと比較してみましょう。

第9世代と第10世代の駆動剛性と重量剛性比のデータをよくご覧いただきましたら、DEFY ADVANCED SLの駆動剛性と重量剛性比を見てください。

いかがでしょう?じつは第9世代TCRにも迫る駆動剛性を発揮するだけでなく、重量剛性比に至ってはTCRのそれを上回っております。ただし新型の第10世代TCRは駆動剛性が飛び抜けていますが。

新型TCR ADVANCED SLは駆動剛性(フレーム剛性)を高めた事で、先代からのわずかな軽量化で重量剛性比をアップしているのに対して、DEFY ADVANCED SLは駆動剛性を高めつつ、TCRよりもさらに軽量化されたフレームセットによって重量剛性比をアップしていることが分かります。ロングライド+ロングヒルクライムを好むわたしとしては、やはりDEFYの設計思想が好みです。

「エンデュランスバイクの快適性は速さにも直結する」
往路と復路、それぞれ所要2時間半を切るペースで走れたことが何よりの証だと実感しています。(今治店スタートなら片道3時間切りのペース)ここまで走れたらエンデュランスロードがもっさりしているなんてもう言えませんよ?

それに加えて印象的なのが、走ったあとの脚や身体のダメージの少なさです。普段乗っているTCRと比較しても、ライド直後や翌日の筋疲労が明らかに少なく感じたほか、しまなみ海道弾丸往復ライドから10時間程度で迎えた今治店朝活ライドでも、フレッシュな脚で走ることができました。

「このバイク、マジで欲しいぃぃぃ!」

この快適で速いDEFYのハイエンドモデル。わたしとしてはぜひTHE PEAKSのような超山岳ルートで開催されるロングライドイベントで乗ってみたいです。なお、8月に新潟県妙高で開催されたTHE PEAKSには、富山店スタッフがDEFY ADVANCED PROで参加していましたよ。

「どこまでも遠く速く走りたい」

ロングライドを突き詰めた先、このバイクがハマるというサイクリストは間違いなく多いはずです。DEFY ADVANCED SLの2025年モデルはフレームセットのみの製品展開になった点は非常に残念ですが、「これだ!」と直感していただいた方。ぜひ参考にしていただけますと幸いです。

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