ジャイアントストア今治
【スタッフのサイクリング】野呂山GRANDヒルクライム2025 ~バンザイでゴールしたら2位だった件~2025年10月17日
こんにちは。今治店スタッフの川村です。今回は10月12日に開催されました「野呂山GRANDヒルクライム」に参加してきましたので、その様子をご紹介します。
レースの舞台となるのは、とびしま海道の入口にもほど近い、広島県呉市川尻にある野呂山へ続く道。通称「さざなみスカイライン」です。
スタート地点からゴールまでの距離は9.7kmで、標高差710mを駆け上がります。2022年に第1回が開催されまして、今年で4回目となります。野呂山や大会のことは地図やサイクリスト界隈の噂にて存じ上げておりましたが、私自身は初参加、初めて走るコースとなります。さてさて。さざなみスカイラインとは一体どんな道なのでしょうか。非常に楽しみです。
【機材について】
今回わたしが乗るバイクは、当ブログでもお馴染みの第9世代TCR Advanced SL リムブレーキモデル。装備するホイールセットはCADEX 36(リムブレーキ仕様)です。8月末の石鎚山ヒルクライムに参加した際は、ここにCADEX Aero cotton タイヤの28Cを装着していましたが、今回は久しぶりに他ブランドを使ってみようかなということで。パナレーサーアジリストデューロTLRの25Cを装着してみました。(普段使いしているとCADEX Aero cottonのライフが凄く短いんですよ…)
先述のとおり、最近はCADEXタイヤを中心に使用してきましたが、いつもと違うブランドのタイヤを使用するにあたり、タイヤの空気圧セッティングも見直します。まずは4barで乗ってみて、振動吸収とトラクションの良さ、グリップ力と転がり抵抗の軽さについてもバランスを探りつつ、前後とも3barのセッティングに行きつきました。なお、これは同じタイヤ幅のCADEXタイヤを使用する際と比較すると、ざっくり0.5barほど低いセッティングとなっています。使用するタイヤによって、空気圧セッティングを変えることは物凄く大切です。
大会当日は朝5時に自宅を出発しまして、約2時間ほどで受付会場となる川尻中学校に到着しました。前日は仕事から帰ったあと早めに就寝したつもりですが、なぜか非常に眠い…。周りの参加者の方々がローラー台でアップしている中、近くの川尻駅まで散歩したり、折り畳みチェアに座って、ぐで〜っと過ごしていました。緊張感とは?
メイン会場にて当日受付と大会の開会式を終えましたら、ヒルクライムレースのスタート地点がある野呂山登山者駐車場まで移動します。
そこそこ勾配がキツめの坂道をゆっくり2kmほど登ってスタート地点に到着しましたら、各クラスごとに並んでスタート時刻を待ちます。
ちなみに今回わたしが参加するのは年代別Cクラスです。全クラスの中でも参加者の割合が多いクラスのため、2つのグループに分かれてスタートとなります。レースは全クラスの先陣を切るチャンピオンクラスから順番に、各クラスとグループが3分間隔でスタートする方式となります。
個人のタイムはバイクのフロントフォークに装着したチップで計測されます。
「ここ、めっちゃ蚊がおるんだが…」
ここで大体20分ほど待機するのですが、めちゃくちゃ蚊に刺されましたよ。チキショーめ、次回参加することがあれば絶対に山側には並ばないぞ。
蚊に刺された箇所が痒くて、何となくまだ眠いし。ちょっぴり気分が萎えてしまいましたが。そうこうしてるうちに自分のスタート順が近づいてきましたよ。
\3,2,1,スタート‼/

先にお話しした通り、私はそのほぼ全てが初見となるコースですし、序盤からあまり勢いよく飛び出さずにマイペースでいく作戦です。
コースサイドから届く近隣の方々の応援は嬉しいですよね。
スタート直後から2名ほど先行していましたが早々に追い付いたため、少しだけ様子を見てから先行します。背後には数名(たぶん5名ぐらい?)の気配があることを認識します。何となくの直感ですが、序盤はコース全体のうち比較的きつい勾配が続くと予想していたため、あまり強度を上げ過ぎずウォームアップを意識しながらペースを作ります。
スタートして3分が経過したところで、同じ年代別クラスの第2グループがスタートするアナウンスが左下より聞こえてきました。なお、リザルトはそれぞれ個人の計測タイムで決まるため、たとえ同じグループ内で先頭ゴールしても1位になれるとは限りません。で、最終的にバンザイゴールをしながら、私はこのフラグをしっかりと回収するわけでございます。
「ありがとうございまーす」
イイ感じに心拍数が上昇して、呼吸や筋肉といった身体の感触とペースがシンクロしているのを実感します。スタート直前まで、今日はあまり調子がよくないかな?というのが本音でしたが。適度なリラックスと運動による刺激、そこに初めてのコースに挑む高揚感が混ざり合い、自然と口元が緩んでしまいます。
「嗚呼、やっぱり走るのは楽しい」
序盤から続いてきた勾配が一旦落ち着いたあたり。気付くと後方に感じていた気配が少しずつ減り、おそらく今は2名ぐらいでしょうか。
と、一息ついたタイミング。ここではじめて後ろから1人先行します。すかさずツキイチで後方に続きます。私はこの一瞬で相手の走力を見極めました。「これは終盤まで一緒になるな」と。しばらく後方についたあと、様子を見て再びわたしが先行します。
私:「ペースこれぐらいで良いですかね?」
Kさん:「私も初参加なので判らないですね〜」
後ろにもう1人いらっしゃることを把握していましたが、どうやらそちらの方はツキイチで固定する感じです。
「ウォームアップはこれぐらいにしてそろそろ本気でいこうか」というのは冗談で、ちょっとストレッチタイム。
コースも中盤に差し掛かったあたり。突然、左前方に清々しい空と景色が広がります。
ここはハチマキ展望台という場所。あまりに素晴らしい景色だったので、大会が終わったあとにクルマでもう一度登ってみましたよ。
ここでも暖かい応援をいただきまして、爽快感と相まって脳内にドーパミンがどっぱどぱだぜ。
で、先にスタートしたクラスの方に追いついてうっかり前が詰まったところ、再び先ほどの方が先行します。
Kさん:「余裕ですね」
私:「いや、そんなことないっス」
そんな会話を交わしつつ、時々現れる勾配の緩い区間へ。
ここまでの様子からしますと、勾配が増す区間では私の推進力が若干勝り、一転して勾配が緩くなるとあちらの方に分がある印象です。
中盤以降もお互いに何度かポジションを入れ替えながら進む展開が続きます。非常にレースをしている感があります。
そして残り3kmを過ぎた辺り…
Kさん:「たぶんあと10分ぐらいだと思う」
私:「えっマジですか!」
kさん:「よう着いていけん…」
私:「自分もこれ以上は上がらんですよ〜」
Kさん:「ファイトッ!」
私:「はいっ!」
この日初めて出会い、共にゴールを目指す方からの激励を受けたことで、体内を流れる血液がバッと湧き立つような感覚が…。
「これはもう行くしかない‼」
ペダルを踏む脚にも自然と力が入ります。こんな胸アツな展開、これまでヒルクライムレースを何度も走ってきましたが、そうそう出会うことのない体験ですね。
そういえば、ゴールまで残り1km辺りにあるロータリーからは平坦、もしくは緩い勾配になると聞いていたような…。
はッ‼それはちょっとマズイぞ。勾配のきつい区間が続くうちに攻めて、最後の高速区間で逃げ切るためのマージンを拡げておかねば。
さあ、そのロータリーに突入です。先にスタートしていたクラスの方に追いついたら間髪いれず、一気に追い抜きます。
ここから先はゴールまでひたすら踏んで行くしかありません!
おっと、ロータリー出口にカメラマンを発見して、思わず手を振るスタッフ川村。そんなことやってないでもっと攻めろ!
ロータリーを抜けてから後方をちらっと確認すると、直線で見える距離にいるのが判ります。
「めっちゃキツい」
それにしてもゴールはまだか? 残り1kmがとにかく長く感じます。再び後方をちらっと確認。さっきよりも差が少なくなっているような…。とにかく回せ!
「よしっ!逃げ切った!」
ゴールらしきものが見えて逃げ切りを確信します。
\ゴーーール‼/
「これ、1位もありえるんじゃね?」
最高のやり切った感。無意識にバンザイでゴールラインを通過しました。(本当はウィリーゴールを狙っていましたが、そんな余裕はないです)
まもなくして後方から「ゴーーール!」とアナウンスか聞こえてきました。やっぱり、それほど大きな差はなかったか。ほっと一息。
「ありがとうございました」
お互いの健闘を称え合う瞬間。これこそがサイクリング。そしてヒルクライムレースの醍醐味ですよね。ちなみにゴール後もたくさんお話をさせていただいたのですが、なんと宮崎県からのご参加でした。さらに驚いたのが、ジャイアントストア福岡の店長井上とも九州のヒルクライムで競い合ったそうです。さらにシューズはGIANTのSurge Proをご愛用でした。ありがとうございます。また一緒に走りましょう!
なんて色々お話しているうちに、いつの間にか表彰式がはじまっていましたよ。あやうく2人揃って表彰式をスルーするところでした。
さてさて。リザルトのほうですが…。
わたしは年代別クラスで2位という結果でした。
じつはゴール後、同じ第1グループでスタートして8位になった方から聞いたのですが。3分後にスタートした第2グループから、とんでもないペースで追い抜いていった選手が1人いたそうです。つまり、その人が計測タイムで1位だったというわけです。タイムから察するに、私たちの後方まで迫ってきていたようです。あとで知ったのですが、今年の富士ヒルと乗鞍ヒルクライムで年代別クラス1位になった方らしいです。どんだけ〜。(ちなみに大会によって年代別の範囲が多少異なります)
ゴール後は地元の素材を厳選したおもてなしの数々も美味しくいただきましたよ。猪汁がめっちゃうまい。
生口島の瀬戸田にあるバーガー屋さんも出店されていました。
入賞のお土産も有難くいただきました。レモン味のうまい棒が想像以上に美味しかったのも驚き。この場をお借りしまして、会場地域の方々や大会運営に関わっていただいた皆様。そして一緒に走った皆様にお礼を申し上げます。素敵な1日をありがとうございました。
ということで、今回のサイクリングはいかがでしたでしょうか。
私自身、今年は富士ヒル、石鎚山ヒルクライム、そして野呂山GRANDヒルクライムと3つのヒルクライムレースに参加することができました。毎回それぞれの大会を迎えるにあたり準備をして、その中で苦しさ、楽しさ、達成感というものを味わうことができました。そんなサイクリストとしての感覚を今後もお伝えすることができましたら嬉しい限りです。
それではまた次回のサイクリングで。
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