ジャイアントストア今治
【豆知識】ディスクブレーキのメリットはこんなところにも。2021年5月28日
ディスクブレーキを採用したロードバイクやクロスバイク。
GIANTとLivのモデルでも、ここ数年で一気に増えてきました。
ところで。
ディスクブレーキを使う事によるメリット。
皆様はどんなものを聞いたことがございますか?
「雨天でも制動力の低下が少ない」
「油圧式だと弱い握力でもブレーキがきく」
「とりあえず見た目がカッコいい!」
などなど。
今回はそれらに付け加えまして、
このブレーキならではの「良いところ」をご紹介します。
まずはこちらの写真をご覧ください。
従来より幅広い車種に採用されてきました、
「リムブレーキ」と呼ばれるタイプです。
ホイールのリムにブレーキシューを擦り付け、
摩擦抵抗を利用してブレーキをかけます。
この際。
ゴム類で出来ているシューの方が先に摩耗しますが、
リムの方も僅かに擦り減っていきます。
走る環境や積算距離、メンテナンスの程度など。
条件によって摩耗の進行具合に差はあります。
ここで1つの実例と致しまして、
次の写真をご覧ください。
3年で大体3万キロ程度でしょうか。
天候やコースを問わず、
とことん使い込まれたカーボンホイールのリムです。
新品時は平面だったリムのブレーキ面も、
少しずつ削れて今では段差ができています。
ブレーキの制動力が低下する他。
リムが削れて極端に薄くなると、
ブレーキの摩擦とタイヤの空気圧に耐え切れず、
そのうちリムが割れてしまいます。
リムの交換修理(組み替え)も可能ですが、
カーボンホイールの場合。
クロスバイクの本体価格と同程度の費用が掛かることも…
その為。
軽く速いカーボンホイールはここ一番まで温存して、
普段は比較的安価な金属ホイールを使うスタイルが、
サイクリストの間では定番でした。
対しましてこちらの写真。
近年増えている油圧式のディスクブレーキです。
ブレーキローターという金属製の円盤に、
ブレーキパッドを接触させてブレーキをかけます。
この仕組みこそ、今回のお話のポイントです。
ディスクブレーキは、
「ホイールのリムをブレーキに使わない」
これがホイールにとって大きなメリットになります。
ブレーキによるリムへの負担が無い。
ということは・・・・
「とにかく沢山乗りたい」
という方はもちろん。
予期せぬ雨天やヒルクライム後の長い下り坂など。
カーボンホイールで走ることを強いられた際に、
不安を抱えてしまう方も。
いつでも気にせずに、
カーボンホイールで走ることが出来る!
もちろん。
ブレーキで擦り減った際に交換が必要となる部品は、
ディスクブレーキにもあります。
リムブレーキでホイールリムが摩耗するのと同様に、
パッドを接触させるブレーキローターも摩耗します。
リムブレーキとディスクブレーキで大きく異なる点。
それは1度の部品交換に必要な費用です。
ブレーキローターにも様々な種類はありますが、
カーボンホイールのリム交換に比べますと、
遥かに費用を抑えることができます。
ローター交換の頻度は走る環境や距離によって異なりますが、
【シマノ105グレードのブレーキローター】
□ブレーキローター部品代:前後片方¥3,000~
【シマノアルテグラグレード以上のブレーキローター】
□□ブレーキローター部品代:前後片方¥6,000~
それぞれ、
□ジャイアントストア作業工賃:¥1,100~
となっています。
走行距離が多くなるほど、
パッドやローターの交換頻度も増しますし、
数年間、長期的にみれば金額差は無くなってきます。
それでもホイールへのダメージは軽減できますよ。
※スポークやハブのベアリングなど、
ホイールには他にも消耗部品があります。
最後に。
【ブレーキ豆知識】
リムやディスクローターに対して、
シューまたはパッドを強く接触させることで、
そこに摩擦抵抗と熱が発生します。
長い山道を下った後、膝にリムが触れた瞬間、
「え!熱!」ってなった経験はございませんか?
ディスクブレーキの場合。
ブレーキローターに水をかけると、
「ジュー!」と湯気が立ちます!
部品同士の摩擦を利用するブレーキでは、
車体が進む運動エネルギーを熱エネルギーに変えて、
減速をさせています。
この際、部品類に生じる微振動が、
ブレーキの「キィー!」という音鳴り原因のひとつ。
ブレーキの性能に影響を与えることは少ないですが、
湿気や汚れなどで音鳴りが発生しやすい点は、
ディスクブレーキの弱点です。
さて、今回のお話はここまで。
ディスクブレーキとリムブレーキ。
どちらのモデルにしようか迷われている方に。
少しだけご参考にして頂ければ幸いです。
ジャイアント/リブストア今治