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【スタッフの新マシン】待たせたな、TCR2024年1月31日

こんにちは。今治店スタッフの川村です。

今回はタイトルの通り。

私の新マシンで出かけたライドの様子と合わせて、

乗ってみた感想をざっくりご紹介します。

まずはじめに私がこれまで乗って参りました、

主力とするロードバイクを少しだけご紹介します。

2016年モデルとして登場直後より、

スタッフ川村が乗り続けてきたのがこちら。

TCR ADVANCED PRO (フレームセット)

当店のブログでも度々登場しているので、

すでに見慣れた方も多いでしょう。

現行第9世代TCRの一つ前にあたる第8世代。

それまでの歴代TCRの中でも、

ヒルクライムでの軽快さが特に気持ちよく、

優れたコーナリング性能も登場から好評でした。

尚、GIANTのグローバルアンバサダーに就任した、

トム・デュムランがジロ・デ・イタリアを制したのも、

同じ第8世代の上位モデルTCR ADVANCED SLでした。

新グローバル・アンバサダーにトム・デュムランが就任

私も試乗後にフレームセットを即発注。

それからはコンポーネントやホイールを組み替え、

様々な道を約8年間走って参りました。

日々のトレーニングライドや通勤ライドはもちろん。

昨年は富山県でのロングライドをはじめとして、

夏のヒルクライムレースでも十分な性能を発揮。

年数を経てもフレームの劣化は当然感じませんし、

非常に乗りやすい1台に仕上がりました。

ですが。

さすがに8年乗ると次のバイクは欲しくなるわけで。

「じゃあ次はPROPELか?」

「それとも新型になったDEFYの上位モデルか?」

「いやいやそのうち新型TCRも出るんじゃないか?」

などなど。

しばらく次の候補を検討しておりましたが、

ようやく満を持して新バイクを導入いたしました。

それがこちら。

TCR ADVANCED SL (フレームセット)

詳しい製品紹介は下記リンクよりどうぞ。

TCR ADVANCED SL フレームセット ~リムブレーキ&ワイヤー式変速に対応~

そうなんです。

私、今回もリムブレーキロードを選択しました。

しかも前回と同じくフレームセットでの導入です。

先の製品紹介でもお話しておりますが、

ディスクロード全盛時代にリムブレーキ仕様も展開、

現行モデルの第9世代TCR

その中でも正真正銘ハイエンドモデルに該当するのが、

このリムブレーキ仕様のTCR ADVANCED SLです。

おそらくリムブレーキ仕様としては、

最終進化版になると個人的に予想しています。

もしも次期TCRでリムブレーキ仕様も継続されたら、

それはそれで驚き、ちょっとした話題になるでしょう。

で、このフレームを選んだ1番の理由はズバリ。

現在使用する部品をそのまま換装可能な点です。

昨年の夏に導入したCADEX 36ホイールを含めて、

所有するリムブレーキ機材を活躍させる事ができます。

もし仮に新規でディスクロードを導入した場合、

いまのTCRと同等以上の走りが期待できる1台となると、

予算的に一歩踏み切れなかったという事も本音です。

流用できるディスクロードの部品は所有していない為、

フレームセットから組んだらそれこそ大変です。

その点、リムブレーキ仕様のフレームセットなら、

費用を抑えてハイエンドモデルに乗れる。

というお話です。とても単純です。

ディスクロードはまた次の機会ということで。

そんなこんなで1日の業務を終えたあと。

わくわく気分でニューマシンの組立作業を開始。

まずは現在のバイクのセッティングを基準に、

フロントフォークコラムをカットします。

で、このフロントフォークがまた軽いんですよ。

以前のものと持ち比べただけでもその差は明白です。

フレーム本体についても言わずもがな。

ステムは各製品によってクランプ幅が異なる為、

若干の調整幅を残してカットします。

ISPはもとのバイクのシート高を基準にカット。

私の愛車ではシート高ピッタリにカットせず、

5mmほど短くカットします。

※ISP以外の車体を基準に計測した場合

これはフィジカルに起因するセッティング変更や、

サドルやシューズ、ペダルといった部品類、

細かいところではビブショーツを新調した時など。

シート高が僅かに変化した際、

上下に調整できる幅を設けることが目的です。

そのときに使用するスペーサーがこちら。

ひとまず3mmスペーサーを1枚セットして、

サドルバックに1.2mmスペーサーを入れています。

普段の微調整はこの程度で十分です。

なお、プレスフィットタイプのフレームでは、

ボトムブラケットは新品を圧入します。

使う製品にもよりますが、

再利用をすると走行中の音鳴りの原因や、

クランクの滑らかな回転を阻害する場合も。

あとは気持ち的な問題です。

駆動系部品はさほど摩耗していない為、

洗浄してそのまま新フレームに載せ替えます。

最新の上位グレードフレームだから、

そこは最新の上位コンポーネントで組まないの?

というお声も何処かから聞こえてきそうですが。

新品且つ上級コンポーネントで組む車体は、

精度も非常に高く、操作性や乗り味の質も優れ、

より良い1台になることは重々承知しておりますよ。

ですが。

ロードバイクは乗って走って楽しむものですし、

1台の愛車として向き合う場合には、

ちょっとクセがあった方が可愛いじゃないですか。

もちろんガタガタに劣化した部品は除きますよ。

「修理」と「調整」はまったくの別物です。

長年使い込んだギア部品を載せ替える際は、

無負荷の作業台と実走行で動作条件が異なる為、

実際に乗りながら細かい修正箇所を洗いだします。

組立が完成してまず最初におぉ?と感じたのが、

やはり持ち上げた際のバイクの軽さです。

ほぼ全て同じ部品を載せ替えておりますが、

はっきり感じとれるほど軽くなりました。

とくにフロント周りの軽さは感動ものです。

もともと6.9kg台だった旧TCRですが、

フレーム交換後は6.8kg台になりました。

なお前変速機とチェーンリング、ブレーキは、

訳あって手持ちの代用品を使用中です。

(ここでも、なんで!って声が聞こえそうですが)

このあたりの部品をもう少し軽いもの交換して、

所有するCADEX 36ホイールを装着すれば、

6.7kg台も視野に入ってきます。

 

新フレームに換装してから2日間。

それぞれ2時間程度のライドを経たあとの休日。

もう少し長い距離と時間を本格的に乗り込むべく、

西条市のそらやま街道まで行って参りました。

ただしこの日の天候は過酷の一言でして、

強風と寒さ、そして場所によって降雪という、

真冬要素てんこ盛りなコンディションでした。

当然この日見かけたサイクリストは0人。

自転車に乗っているのは通学の学生さんぐらい。

今治市内から湯ノ浦を通過して、

丹原に入ると畑や家の屋根も白くなっていました。

分厚い冬用タイツの履き心地が苦手なわたしは、

この日もビブショーツ+レッグウォーマー。

しっかり踏んでいればそれほど寒くありません。

ただしシューズカバーは必須です。

「え、こんな寒い日になにやってんの?」

おなじみ金子商店さんのマロンちゃんも、

室内待機中でしたよ。

ここからは路面コンディションを見極め、

ペダルを踏んで標高を上げていきます。

肌で感じる気温や先の景色で察するに、

おそらく寒風山トンネルまではいけそうです。

この生まれ変わった愛車TCRですが、

今治からここまでの平坦メインの走りについても、

前のTCRと比べて性能アップを実感しております。

風速8m強という無慈悲なコンデションですが、

ペダルを踏みつづけることが楽しくて、

「走れTCR、俺と一緒に走れー!」

と心の中で叫んでいました。

若干のニューバイク補正もありますが、

以前のTCR ADVANCED PROと比較して、

車体から伝わる感触全体の質が向上しています。

そしてこの先にある山岳ルートこそ、

TCRが真骨頂の走りをみせてくれる場所です。

カッチリとしたADVANCED SLの踏み味に、

ついダンシングを多用してしまいます。

まるで凍てつく空気を切り裂くように、

前へ前へ進むこの感触が堪りません。

これこそ軽量級レーシングバイクの魅力です。

シッティングでの走りもスムーズで、

路面から受ける振動を極薄フレームが弾くように、

リズムよく前へ進んでいきます。

過去に高剛性ハイエンドモデルで幾度か経験した、

「剛性任せに踏み過ぎて後半の脚を削られる」

という心配も今のところ無用といった感触です。

(そういったバイクは乗りこなすと超速いですが)

この部分には思いあたる理由があります。

◇TCR ADVANCED SL

◇TCR ADVANCED SL0 DISC

↑ちなみにこのバイク、めっちゃ速いです。

◇リムブレーキロード前輪側

◇ディスクロード前輪側

◇リムブレーキロード後輪側

◇ディスクロード後輪側

車軸周りの剛性感が増すディスクロードよりも、

リムブレーキ仕様の方が適度にしなやかさがあり、

結果として好みのバランスになったこと。

これに加えまして。

◇旧式のカーボン製クランクを使用

◇CADEXではなくSLRホイールを装備

この2点もうまく作用しているのでしょう。

CADEX36ホイールを履かせたら、

キレッキレな走りになること間違いなしです。

「ありがてぇ、キンキンに冷えてやがる」

いつもの湧き水ポイントもカッチカチです。

天然の冷たいやつどころではないですね。

こうしていつも水が流れてる場所は、

凍結ポイントになるので気を付けましょう。

そして最後の登坂車線区間へ。

グルービングに雪が積もりはじめています。

寒風山トンネル愛媛県側入口に到着です。

ロードバイクで走るなら今日はこの辺りまで。

そもそも出発が午後1時半過ぎですし、

この先は積雪や凍結リスクが増します。

潔く来た道を折り返して今治を目指します。

強風を全身で受けながらの下りも安定感があり、

過去に経験した軽量級バイクと比較しても、

はっきりとした接地感があります。

が、さすがに終盤は強風と寒さでエネルギー切れ。

今治市内の焼肉屋さんを通過した瞬間、

旨そうな香りにやられました。

冬のライドはエネルギーの消耗が激しいです。

ハンガーノック寸前でたどり着いたこちら。

「焼き芋もん吉」にピットイン。

ここでお店のご主人から、

「今日はバイクだと辛いでしょ~」とお声を頂くも、

エネルギー不足と夕暮れによる気温低下で、

語彙力がカッチカチに凍結していた私。

「やばいです」としか言葉が出てきませんでした。

でも。

こういう時に食べる焼き芋が超旨い。

皆さんもやってみて下さい。飛びますよ。

今治にも薄く雪が積もっておりましたが、

無事に帰還することができました。

ハンガーノック気味になった事を除けば、

終始それなりに踏んだ脚の消耗具合は程々。

これはなかなか良い感触の1台になりました。

やはりフレームセットから組み立てますと、

完成車とはまた違ったワクワク感があります。

 

それではまた次回のサイクリングで。

 

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