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【スタッフのバイクメンテナンス】夏に走り込んだバイクは要チェックやで2025年8月29日

こんにちは。今治店スタッフの川村です。「この夏もたくさん走ったぜ」「外は暑いから部屋でサイクルトレーナーをガンガン回したぜ」という、熱心なサイクリストのみなさま。最近バイクの調子で気になるところはございませんか?

「運動時に身体から大量に滴る汗」

「こぼれたスポーツドリンク」

走行中、この2つは車体にも付着するわけでして、これから秋にかけて発生する愛車の不具合も、それが原因かも知れませんよ?

例えばスポーツドリンクは水よりも糖分やナトリウム、ミネラルを多く含むため、夏の運動時における水分補給に最適なのはご存じの通り。その反面、部品にはあまりよろしくない影響を与えることがあります。とくに多いトラブルが塩害や腐食でして、少々茶色く錆びるだけならまだしも、部品の固着や動作不良を引き起こす場合があります。

また、コンポーネントはそれぞれが連動して機能しているため、1つの部品で不具合が生じた場合、その部品で操作される側の部品類にも負担が掛かり、結果として連鎖的に故障してしまうケースもあります。

そうした不具合はこれから秋にかけて多く見かける印象があります。そして、ちょうどその時期に多く開催されるのが、ロングライドやヒルクライムといったサイクリングイベントだったりします。

わたしも大会スタッフとしてメカニックブースに従事する機会がございまして、過去さまざまな機材トラブルを拝見して参りました。走行中の落車や接触、うっかりバイクを転倒させたことが原因となる場合もありますが。それ以外のケースでもっとも多いものが…

「これ、以前から調子悪かったでしょう?」

という機材トラブルです。

たとえば普段は河川敷のサイクリングロードなど、ギア変速を殆ど使わずに走行可能な環境で走っている方の場合。ロングライドイベントに参加して、起伏に富んだルートを走った途端、もともとバイクが抱えていた問題に気が付くなんてこともしばしば。

その他によくあるケースは、自転車を購入した頃はよく乗っていたけど、ここ数年間は乗らずに保管していて久しぶりに乗ってみたところ、なんだかギアがおかしい…。というパターンです。消耗や経年劣化の進行した部品は、頻繁に使い続けている間よりも、久しぶりに動かした時に壊れやすいという説があります。冷蔵庫やエアコンといった家電と同じですね。

ということで、少しお話が逸れましたが。今回はこれからの季節によく見かける機材トラブルについてのお話です。

【機材トラブルその1】

◇フロントフォークコラム

この部分には大量の汗が付着します。とくにコラムスペーサーとフロントフォークコラムの隙間。ここに染み込んだ汗に含まれるナトリウムが徐々に固まり、気が付いた頃には大量の塩が生成されているなんてこともしばしば。フロントフォークコラムとコラムスペーサーの素材がカーボン製でしたら、固まった塩を少しずつ削って取り除くこともできますが。(それもかなりの労力が必要です)

特に厄介なのは、エントリーグレードのロードバイクやクロスバイクに多く採用されている、金属製のフロントフォークコラムやコラムスペーサーの場合です。

金属同士の間に水と塩分が付着すると、化学反応を引き起こして錆と腐食が発生し、最悪のケースとしてはガッチリと部品が固着してしまい、フレーム本体からフロントフォークを外せなくなってしまうこともあります。そうなってしまいますと、ヘッドパーツ周りのメンテナンスはもちろん、ハンドル位置の調整もできません。過去にはコラムスペーサーだけをグラインダーで切断することで、フロントフォークを取り外すケースもありました。

これらを防ぐ方法としましては…

・ステムやスペーサーを時々取り外す

・定期的に洗車する

などがあります。要するに「腐食の原因となる成分を残さない」ことです。

また、これは以外かもしれませんが。雨天時も走ることが多いバイクは、こういった塩害トラブルが発生しにくかったりします。これは大量の塩分が雨水によって流されることや、そうしたコンディションで乗る以上、普段のメンテナンス頻度も増えることが関係します。

 

【機材トラブルその2】

◇ヘッドパーツ

「機材トラブルその1」の下に位置するのがヘッドパーツというベアリング部品です。ここにも汗などが大量に染み込むと、ベアリング自体に錆が発生しやすくなります。

基本的にコラムスペーサー周りの状態が酷い場合には、ヘッドパーツの錆も酷いことが多いです。

この部分はホイールハブやボトムブラケット、ペダル軸のベアリングのようにクルクル回す箇所ではないですが、状態によっては乗車時の音鳴りやガタツキの原因になる為、思い当たる場合には要チェックです。

 

【機材トラブルその3】

◇フロントディレイラー

フロントディレイラーは足元に位置している関係上、汗やボトルからこぼれたドリングが付着しやすい場所になります。シフトケーブルの状態や変速調整に問題が無いのに、フロント変速が正常に動作しない場合。おもな原因として腐食によるフロントディレイラーの固着が考えられます。

不具合が生じるまでの流れとしては…

汗やボトルからこぼれた飲料が付着

リア変速と比べて操作する頻度が低い

フロント変速を使わないうちに固着

おおよそこんな感じですね。部品の年式が古め、または低価格帯のコンポーネントほど発生しやすい印象を受けます。

予防策といたしましては、

・水で洗車する

・リンク部分に時々注油する

・フロント変速を適度に使う

といった方法があります。

 

【機材トラブルその4】

◇ボトルケージ台座

ここにはボトルから漏れたドリンクなども付着します。ボトルケージを新調する際やオーバーホールを行うときなど。固定ボルトを緩める際に抵抗がある場合には、ネジ部分が固着している場合もあるので要注意です。

固着したネジを無理に緩めようとするとフレーム側のリベットが外れてしまい、修理に大変手間がかかります。この際、外れてしまったリベットをフレーム内部から取り出すため、一度フロントフォークを外す場合もあるのですが。【機材トラブルその1】が発生していると…思わず立ったまま気絶しそうになります。

 

【機材トラブルその5】

◇シフトケーブル

まず、シフトケーブルは消耗品です。擦れや捩れなどで寄り合わせたケーブルが解れたりすると、変速動作に不具合が生じます。

◇ フロント変速の場合

アウター側へ変速ができない

インナー側にうまく変速しない

◇ リア変速の場合

トップギア側への動きが悪い

頻繁に変速調整がずれる

といった症状が現れます。

ほとんどはレバー内部でワイヤーが解れて引っ掛かっているケースですが、レバーユニット内部の錆や経年劣化が原因の場合もあります。

そのほか、ディレイラー本体の経年劣化によるガタつき、ディレイラーハンガーの変形、チェーンやカセットスプロケット、フロントチェーンリングの摩耗などが、変速動作における不調の原因となる場合もあります。ライトメンテナンスなどの点検メニューに含まれる調整だけで問題が解消しない場合、これらの消耗部品を交換する必要があります。何はともあれ、異常を感じた際にはぜひお早めにお店へどうぞ。

さて、今回のお話は如何でしたか? ご紹介した機材トラブルを含めて、大半は何かしらの原因があります。大会などせっかくの場面で機材トラブルに見舞われないように、それぞれのライド頻度に適したメンテナンスや点検を行い、快適なサイクルライフを送って頂けますと幸いです。

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