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【スタッフのサイクリング】ロードバイクですか? いいえ、ミニベロです。2024年10月17日

こんにちは。今治店スタッフの川村です。

あれは9月26日のこと。

広島県で開催される野呂山ヒルクライムの申込締切日が迫り、そろそろエントリーしようかな〜と軽く思っていた矢先。勤務中、急に左胸から背中にかけて痛みがあらわれ、帰宅する頃にはちょっとした動作で激痛が走るほど症状が悪化。プランクトレーニングのやりすぎ?前日に亀老山5本登ったから?いやいや、これはおかしいぞ。ということで翌日に病院へ。

診察結果は帯状疱疹に伴う肋間神経の炎症。幸い皮膚表面には症状は無く、且つ早い段階で抗ウイルス薬を飲み始めたためそれ以上の重症化を回避できました。

29日のGSCCライド&試乗会はロキソニンで痛みを抑え込み乗り切ったものの、さすがに2週間後のヒルクライムレースにエントリーする気分にはなれず。さらにそんな時に限って大量にクロスバイクの組み立て業務があるという…。とりあえず1週間ほどは回復に専念していました。

そして大会に出る予定でシフト休をとっていた10月13日

わたしはお馴染みのUFOラインを目指していました。

ミニベロに乗って。

え?
なんでミニベロなのかですって?

当店ブログをご覧いただいている方はご存知かと思いますが。わたしが乗るミニベロ「TEN」はいたって普通のミニベロです。

泥除けにキックスタンド、便利な前カゴも装備。

変速ギアはシマノTOURNEY TXによる後ろ8段のみ。

見た目よりもかなり走れるバイクではありますが、最新カーボンロードバイクと比較すれば性能差は歴然。

だからこそ!

「こいつで挑んでみたくなった」

サイクリストとは不思議なものでして。
それがどんなにハードな行程だとわかっていても、自分の「限界」や「壁」に挑んでみたいという欲望が勝る瞬間があるんですよ。いわゆるチャレンジ精神というヤツです。じつに厄介なものです。

午前10時過ぎに自宅を出発。いつものルートで西条へ。

西条祭りの期間ということで山車(だんじり)の姿も。

田んぼの先にこれから向かう山々が連なるこの風景。
市街地を抜けて爽快感がグっと高まる瞬間です。
じつにエモい。

が、この日は風が強く向い風では速度を維持するために体力をバリバリ削られます。ロードバイクに対して圧倒的に劣る空力性能。平坦路の巡行速度は体感で10km/hぐらいの差があります。短時間もしくは集団走行ならある程度のごまかしも効きますが、長時間のソロライドは結構キツいんですよね。

そんなこんなで。

川沿い平坦区間を経て「そらやま街道」の起点に到着。

ここから始まるロングヒルクライムに備えて、いつもの金子商店さんにてもぐもぐタイム。こういう時に補給食をたっぷり積める前カゴが便利なんですよね。

「あげません!」

さてさて。
ヒルクライムに備えてハンドルポジションを変更します。

【豆知識】
登り勾配においてハンドル位置が高いポジションでしっかりペダルを踏む際は、上腕筋や背筋などを使って上体を抑え込む必要があります。これが結構キツイんですよね。その負担は腰の筋肉にも影響を及ぼして腰痛などの原因になります。

適度にハンドル位置の低いポジションは、踏み込み時の上体の起き上がりを抑え込みやすくするほか、脚だけに頼らず体幹を意識したペダリングがしやすくなります。そう、ペダルは脚だけでこぐものじゃないんです。

サドルとハンドルの位置を調整して、理想的なポジションにセッティングが出来ると、ペダルにしっかり体重を乗せたペダリングができるようになります。

私のハンドル、サドル、ペダルに対する荷重配分はざっくりこんなイメージ。ロードバイクで気持ちよく高速巡行している時はペダルの割合が増える印象です。

(ざっくりとしたイメージなので数値に対するツッコミはご容赦ください)

ペダルにしっかり荷重ができていると、体重+筋力を使ったペダリングで効率よく推進力を得られるほか、お尻が痛くなったり手が痛くなったりすることも少なくなります。ぜひ参考にしてみてください。

では、ライドの様子に戻りましょう。

タイヤ外径が小さく低速トルクに優れるミニベロ。

意外と登りは得意なバイクですが、距離が長くなるとやはりロードバイクの方が楽ですね。

「いつもより長く感じる…」

「はい喜んで!」

ようやく国道からの分岐に到着デス。

ここからは狭い旧国道区間です。

ロードバイクで走る際と比較してここまで1時間弱の遅れですが、まあ予想通りといったところでしょう。

当然エネルギーの消耗具合も割り増し。

【追記】
ロードバイクで走る際は全く問題ないのですが、実はこの少し前からサドルに座っているお尻が痛くなりました。原因はロードバイクよりもアップライトなポジションに加えてペースを抑え気味に登っていたため、サドル側に多くの荷重がかかっていた点にあります。

・ロードバイクTCRのサドル

◇CADEX BOOSTサドル

・ミニベロTENのサドル

◇CONNECT CONFORTサドル
(ESCAPEやGRAVIERにも装備されています)
ご覧のとおりロードバイクTCRに使用するCADEXの軽量カーボンサドルに比較すると、ミニベロTENのコンフォートサドルは座面が分厚く非常に柔らかいサドルですが…。お尻の痛みはサドルのクッション性だけで解消するとは限らない事がわかります。

スタッフ川村の尻は長年幾多ものライド経験で鍛えられているので、この程度なら大したダメージになりませんけどね。

天然の冷たいやつを補充。真夏に比べて気温は落ち着いてきましたが、水分補給はしっかり行いましょう。

やってきました寒風山隧道。これを抜けたら高知県。

トンネルを抜けたら旧瓶ヶ森林道区間に突入。
ゲートから絶景のUFOラインまでは11km

いつもは30分程度で到着しますが今日は50分ぐらい掛かりそう…。

3連休ど真ん中ということで、クルマやオートバイクが多いことはもちろん。平日だと全く遭遇しないサイクリストの姿も多かったですね。誰もわたしの姿を見て今治から自走で来たとは思っていないでしょうな。ふふふ。

狭い山道なので渋滞することもしばしば。正直に申し上げると、普段から山道での運転経験がない方にはあまり推奨できるドライブルートではないです。これまでも路肩の側溝に脱輪したり、法面に刺さっているクルマを見かけたことがあります。谷に落ちるよりはマシですけど、たぶんJAFとか呼んでも2時間以上は来てくれませんので十分気を付けてくださいね。

タイヤ外径の小さいミニベロにとってここの荒れた路面は結構きつい。

大きい段差を越えた衝撃で前カゴに入れていた蒸しパンが発射。放物線を描きながら前方の地面に着地、それをフロントタイヤで踏んでしもうた。まあ袋が空いてちょっと潰れただけないので無問題ですけど。

標高1200mを越えて空気もひんやりしてきました。ここまでくればあと少し!

「唸れフラットペダル!」

最後の隧道を抜けると…

UFOラインに到着!

ここまでロードバイクで来るときに比べて2時間ほど多く掛かりました。

東京からお越しで懐かしのアルミDEFYに乗ったサイクリストの方に撮影していただきました。「こんな環境が近くにあるなんて羨ましい!」と仰っていましたよ。

確かに関東圏にも有名な峠や山道はありますが、このスケールの秘境に東京から走りに行くとなると日帰りではちょっと難しいですね。

ありがとうございました。道中お気をつけて!

景色をゆっくり眺めた後は防寒対策のジレを着て下りへ。

寒風山隧道前まで戻ったところで休憩。休日のみオープンしているカフェベースさんで自家焙煎ミル挽き珈琲をいただきます。

愛媛県の西条に向けて長い下りは続きます。

さきほどの高知県側は晴れていましたが、山を挟んだ愛媛県側は雲が掛かっています。

遠くの方に丹原や今治が見えます。いやーミニベロでよく来たものです。

いつもでしたらどんどん加速する広い国道のダウンヒルも、空気抵抗が大きくタイヤ外径も小さいミニベロだとあまり速度が伸びませんね。そのため、下り区間もいつもより長く感じます。

山の上で空にして蓋を締めたペットボトルはご覧の通り。UFOラインとの標高差がよくわかりますね。

金子商店さんで休憩していたらお祭りのだんじりがやってきましたよ。これも秋らしい風景ですね。

夕暮れ迫る道を今治目指して走ります。

ロングライドの帰りにここを通ると誘惑が半端ないんですよね。嗚呼、ラーメン食べたい、焼肉食べたい。

お店にちょっとだけ寄り道。今治店は夜7時閉店ですよ。

途中で晩御飯の買い物と知り合いの方から鯛をいただきました。やっぱり前カゴって便利ですね。ちなみに我が家は休日or帰宅が早い人が晩飯当番です。

今治まで帰ってきたついでに、ライトアップ中の来島海峡大橋で記念撮影。ちなみにこの日が暮れた時間帯であっても、レンタサイクル利用者の方をちらほら見かけますが、大体はガッツリ疲れ切った状態でバイクを押して歩いてますよ。

「お疲れサマンサ〜」

それはもう、めっちゃ疲れました。走行距離180kmでUFOラインを合わせて獲得標高は1800m以上でしょうか。ロードバイクで同じルートを走る際と比較すると、往復合計で3時間半は多くかかっています。あらためてロードバイクの凄さを実感しました。でも、ミニベロでも行けたというのは事実でして、真正面からバイクと道に向き合ってペダルをこぐ!この気持ちが私にとって1番の原動力なのだと再確認できました。今回もそんな部分をお伝えする事ができていましたら頑張った甲斐があります。それではまた次回のサイクリングで。

 

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