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【MTB】コスパ最高のエントリーモデル Talon 12025年3月7日

こんにちは。今治店スタッフの川村です。

先日のブログにてご紹介した弊社MTB講習会で、わたしがほぼ一日中乗っていたハードテイルMTB「Talon」について、今回は詳しくご紹介します。

【スタッフのサイクリング】だいたいロードバイク乗っている人がMTBに乗ってみた

 

【製品の生い立ち】

写真は2015年モデルのTalonシリーズ。Talon(タロン) は「爪」を意味します。

2010年代初頭より、トレイルライドを身近にするエントリー向けMTBをコンセプトといたしまして、ラインナップされてきたハードテイルMTB「Talon」シリーズ。GIANTオリジナルのアルミ合金フレーム「Aluxxs」をベースに、当時スタンダードだった26インチホイール仕様のほか、黎明期の29インチホイール仕様も追加するなど、その都度トレンドを取り入れたモデルを展開してきました。その後はMTB界を席巻した27.5インチホイール仕様を中心に、幅広いユーザー様にご愛顧頂いております。

そして2024年10月。Talonシリーズはフルモデルチェンジを実施しまして、従来のエントリーMTBの領域を超えるパフォーマンスを得たことで、より本格的なMTBとして生まれ変わりました。

新型Talonについて要約しますと…

・スポーツバイクの価格高騰がエントリーユーザーにとって一つの壁となっている昨今。本体価格は10年前の同グレードと然程変わらないのに、トレイル走行における楽しさと満足度は前世代比で数倍アップ。

・より本格派向けMTBと同様に、カスタマイズに対する拡張性が向上。

・街乗りバイクとして使用する場合。クロスバイクと肩を並べても引けを取らない、ユーザーフレンドリーなギミックも搭載。

つまりは….

「最高にコストパフォーマンスの優れたエントリー向けMTB」という事です。

 

【製品詳細】

ここからは「乗る」と「ユーザービリティ」2つの視点で、新型Talonについてご紹介します。

「Talon 1」

今回乗る機会を得たモデルは、上位グレードの「Talon 1」で、フレームサイズはSサイズの車体です。身長163cmのわたしは、XSサイズとSサイズどちらの適応身長にも当てはまります。あいにく同モデルのXSサイズには試乗しておりませんが、MTB専用コースでSサイズの車体を駆り、1日中走ったうえでの印象と、過去に乗ってきた数車種のMTBより得た経験を合わせますと、Sサイズのフィーリングがとても魅力的に感じました。わたしの場合、ロードバイクは長年XSサイズを愛用しているのですが、クロスバイクやMTBになりますと、リーチが短く窮屈に感じるところも理由ですね。

なお、Talonのフレームサイズについては1点だけお断りしておきたい事がございます。じつはこの新型Talonですが、グレードとフレームサイズによって、車体の仕様自体がいくぶん異なります。それらの箇所を順番にご紹介します。

◇ホイールサイズ


新型Talonはフレームサイズによってホイールサイズが異なります。

・XSサイズには27.5インチホイール

・Sサイズ、Mサイズには29インチホイール

わたくし、じつは数世代前の26インチホイールMTBしか所有歴がないものでして、最新の27.5インチや29インチホイールMTBに乗ると、オフロード走行時の走破性と安定性、そしてスピードに毎回感動を覚えます。

障害物を乗り越える能力や、オフロードでのトラクション性能も、昔の26インチMTBと比較すると遥かに向上しています。当時のMTBでしたら困難に感じるような場面も、最新の29インチや27.5インチホイールを採用したMTBに乗ると、いともたやすくクリアすることが出来ます。なお、ホイールサイズについて、小さなターン時の旋回性は27.5インチが若干優れている印象ですが、急勾配もペダルをゴリゴリこいで登りたい私としましては、タイヤのトラクションとギャップの走破性に優れる29インチが好みです。

◇ドライブトレイン

『Talon 1について』

フレームサイズでクランク長とフロントチェーンリングのサイズが異なります。

・XSサイズは165mm(32T)

・Sサイズ、Mサイズには170mm(30T)

リア変速機はシマノCUES 1×10で、リアカセットスプロケットは11‐48Tを採用しています。

フロントギアに小さいチェーンリングを使用して、ワイドなリアカセットスプロケットと組み合わせる仕様は、現代のMTBでは定番のスタイルとなっています。29インチや27.5インチホイールが持つ走破性の高さと、フロント変速を原因とするロスやトラブルを排除したことにより、かつてのMTBに比べてオフロード走行時の操作性や快適性がグッと高くなったと感じます。

 

『Talon 3について』

フレームサイズによってクランク長のみが異なります。

・XSサイズ、Sサイズは170㎜

・Mサイズは175㎜

こちらは変速機にシマノAltusとAceraを組み合わせた2×8を採用していまのす。ギア構成についてはフロントチェーンリングが36‐22Tを、リアカセットスプロケットは11‐34Tが装備されています。Talon 3に採用されている8S用リアカセットスプロケットは、ラインナップされているローギアの歯数が小さいため、急勾配の登り坂で足りないギア比をフロント変速で補う、往年の変速スタイルが採用されています。

◇フロントサスペンションフォーク

フレームサイズごとにストローク量のセッティングが異なります。

・XSサイズは80㎜

・Sサイズ、Mサイズは100㎜

また、フロントフォークの仕様に関わる部分と致しましては、「Talon 1」と「Talon 3」は、それぞれフロントホイールハブの固定方式が異なります。

・Talon 1は15×110㎜幅のスルーアクスル式

・Talon 3は100㎜幅のクイックレリーズ式

今回のMTB講習会で走行したビギナー及び中級コースは、天然のトレイルで遭遇するようなロックセクション(岩場)やドロップオフ(大きな段差)を走行する場面もなく。全体の勾配も比較的優しい設定だったこともあり、標準装備のサスペンションで不安を感じることはありませんでした。ですが、もう少し難易度の高い急勾配トレイルを走行する場合、サスペンションのストローク量や調整機能にもう少し余裕が欲しい印象でした。

なお、Talonのリアホイールハブ固定方式はどちらのグレードも共通で、12×142㎜幅のスルーアクスル規格を採用しています。昨今のトレンド「Boost規格」では、リア12×148㎜幅のスルーアクスル式が主流になっている為、新型Talonのフレームリアエンドに採用された規格はひと世代前、いわゆるスタンダード規格になります。

なお、このBoost規格の登場により、フレームやサスペンションの設計、タイヤのワイド化、ホイール剛性の向上が実現したことで、近年のMTBは飛躍的に走行性能が向上しています。それまでMTBの長い歴史をけん引してきた26インチに対して、新規参入した29インチが一度低迷し、その間に27.5インチが広まった後、再び29インチが復権している理由もここにあります。

これらの点からそれぞれの車体を見ますと。

・「Talon 1」は比較的新しいフレーム規格を採用。

・「Talon 3」はフロント側に数世代前の規格、リア側はひと世代前の規格を採用。

といった仕様になりますね。

このBoost規格をはじめ、機材面においてはロードバイク以上に次々と新しいトレンドが生まれ、すぐさま取り入れられるMTB界隈。この新型Talonにも、そういった最新トレンドが採用されています。

UDH(ユニバーサルディレイラーハンガー)

これまでのリアディレイラーハンガーは、バイクブランドやモデルごとに専用のものが準備されていました。外的要因でディレイラー周りに強いダメージを受けた際、ディレイラーハンガーは変形、もしくは破損することでフレーム側の損傷を防ぐ役割があります。また、ハンガー自体の強度や加工精度はバイクの変速性能にも影響があり、使用する変速機本体が同じ製品でも、取り付けるフレームによって変速精度に若干の差が生じる面もありました。そこに近年登場したのが、ギアコンポーネントブランドのスラム社が提唱するリアエンド規格「UDH」です。こちらの規格に対応しているフレームでしたら、バイクメーカーを問わず1つのハンガーを共有可能なほか、車体ごとに生じていた変速性能のバラつきも改善するメリットがあります。

このUDH規格。Talon 1の1×10ドライブトレインに装備された、新作コンポーネント「シマノCUES」と組み合わせた際のフィーリングも良好で、急勾配の登りながらガシガシ変速操作をしても無問題。

従来のコンポーネントと比較して、大幅に耐久性が向上しているシマノCUESの特性と相まって、かなり魅力的な仕様に感じました。

◇シートポスト

「Talon 1」にはドロッパーシートポストが標準装備されています。ハンドルバーに取り付けた専用レバーを操作することで、状況に応じてサドルの高さを変更することができるこの製品。こちらの有無だけでもトレイル走行における快適性が段違いです。

また、街乗りでの信号待ちなど、サドルに座った状態で両足をゆったりと地面に着きたいとき。なかなか重宝するアイテムだったりもします。「Talon 3」にも追加パーツのご購入で装着は可能ですが、これが意外といいお値段のため、そういった面も含めますとTalon 1のコストパフォーマンスは大変魅力的です。

さて、ここまではオフロード走行を前提に、エントリー向けMTB「Talon」をご紹介して参りました。ですが、実際は今回のようなMTBコースやシングルトラックでの走行を目的とされる方よりも、クロスバイクのように街乗りを目的としてご購入いただく場合が多いように感じます。

(写真はTalon E +)

そこで耳より情報です。この新型Talonには、街乗りで必須アイテムとなる、キックスタンドを取り付けるための台座がございます。専用キックスタンドを別途お求めいただきますと、六角レンチ1本で装着することが可能です。当然ながら取り外しも簡単なので、オフロード走行時などキックスタンドが不要な時は、サッと取り外すことも可能です。これは大変ありがたい仕様ですよね。

ということで、今回は新型Talonについてご紹介しましたが、如何だったでしょうか。

なお、余談ではございますが。

同じハードテイルMTBとしては、個人的には「Fathom 29」も気になるところです。今回のTalon 1に足りない要素をほぼカバーしている点では、より一層トレイルライドに重点を置いたモデルです。うーん、悩ましい。

 

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