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【スタッフのサイクリング】富士ヒルってなんなのさ2025年6月8日

こんにちは。今治店スタッフの川村です。【スタッフのサイクリング】を書くこと自体が随分と久しぶりになります。

それはなぜかというと。この2カ月ほど脚の不調(かなりハードモードな腸脛靭帯炎)でサイクリングはおろか、通勤ライドすらまともにできていなかったものでして。

5月に入ってからは仕事で立っているのも辛く、当然ながら一切自転車に乗ることもできない状態に。まさしく「くっころ」状態で過ぎてい日々。もうね、ゴールデンウィークあたりはマジで辛かったんですわ。その後は慎重に軽いウォーキングをしたり、ストレッチと体幹トレーニングの人になっていました。

そして気が付けばもう6月になってしまったわけですが。

先週ようやくサイクリングのネタを仕入れることができました。そのネタというのがこちらでございます。

Mt.富士ヒルクライム2025

もはや言わずもがなですね。日本はもちろん近年では海外からの参加者も増えているという、国内最大規模のヒルクライムレースです。ここ四国からはさすがに遠すぎるせいでしょうか、さほど話題になりませんが。関東や関西圏のサイクリスト界隈では大変な盛り上がりを見せている印象です。

そんな富士ヒル。前述のとおり膝の痛みを抱えてひと月以上過ごすうちに、苦労の末にエントリーした当初のモチベーションなどもはや消え失せ、正直にいえば大会をDNSするつもりでおりました。

ですが今回はうちの人も一緒に参加することに加えて、せっかく愛媛から8時間半かけて山梨まで行くわけですからね。大会当日に脚の調子が悪化していなければ、DNFも辞さないつもりで出走しておくか?というの心構えで現地入りした次第です。あとは年末年始にできなかった帰省も兼ねています。

前日の現地付近は雨模様でしたが、雲の切れ間から奇跡的に富士山の姿を望むことができました。関東にいた頃はあまり意識しておりませんでしたが、年に1度ぐらいしか訪れませんと、実はちゃんと見える日はめずらしかったりします。

「嗚呼、何だかみんなキラキラしていて眩しい…」

受付および大会メイン会場となる富士北稜公園には、バイクやコンポーネント、ウェアブランドなどのブースに加えて、キッチンカーを含めたフードエリアも。

なお、GIANTのブースにて行っていた参加者限定のスペシャルトップキャップ配布ですが。私自身のモチベーションが限界突破レベルに低かったため、申し込みをする気力さえ沸かず…。

さてさて。

明日はここから1kmのパレード走行後、スタートラインから富士スバルラインを24km登った先にある富士山5合目がゴールとなります。ゴール地点の標高は2300mということで、山の急な天候変化を想定しつつ、下山用の防寒装備についてはリュックに入れて前日のうちに預けておくシステムです。

荷物を預けるカーゴに記載されているのが、参加者それぞれに割り振られたゼッケンナンバーです。いやいや1万人って、サイクリング大会ましてやヒルクライムレースとしては桁外れのスケールですね。10年ちょっと前に参加したときはこんなにいなかったような。それが今や1万人規模での開催だなんて。なるほど、山陽道の岡山あたりでもそれっぽい参加者のクルマを見かけるわけです。

そして、この規模になると発生するのが宿泊場所の問題です。近年はオーバーツーリズムの様相をみせているらしい富士五湖エリアですが、そこに大勢の大会参加者が訪れるわけです。近くの宿なんて足りるわけがありません。そのため富士ヒルには走ること以外にも2つの壁が存在しており、1つはWEBエントリーサイトへの熾烈なログイン競争。そしてもう1つがこの宿問題なんですね。

幸いにしてわたしは山梨県北杜市にある両親の家に宿泊するため、参加受付を終えましたらメイン会場を後にして再び1時間少々のドライブ。途中、ランボルギーニにロードバイクを載せた大会参加者を見かけたり、デロリアンが走っていたり。山中湖や河口湖周辺はちょっぴりカオスな様相を呈していましたが、クルマ好きにとっては目の保養になりました。

ここでわたしが乗るバイクについてもざっくり触れておきます。

TCR advanced SL(第9世代)

膝の怪我が悪化して以降、ロードバイクに乗って30分程度ペダルをこげるようになったのが大会1週間前。これだけサイクリングから離れていると、身体がもとのバイクポジションに対応することも困難な状態に。

とりあえず無理をせずに乗れるポジションを探った結果。

・ハンドルステムを20mm短くする

・サドル高を10mm低くする

以上の点でひとまず対応しました。もはやタイムを狙うようなコンディションでは無くなってしまったため、所有機材のうち最も軽くて速いCADEXホイールはうちの人が乗るバイクに譲りました。代わりに最近スペアとして使用しているSLRホイールを装備。いつもであればタイヤも新品の軽量モデルに交換するところですが、今回は使い古しのタイヤのままです。

そして大会当日の朝。5時半にセットしたアラームで目覚めた瞬間、窓の外の明るさに少々焦りました。

「え?これ、寝坊したんちゃうの?」

そういえば東日本のほうが日の出時刻が少しだけ早いんですよね。西日本に長く住んでいる影響で忘れておりました。

朝食と準備を済ませ、1時間少々のドライブであらかじめ割り振られた参加者用駐車場に到着です。ちなみに私たちはメイン会場から1番遠い駐車場を指定されていたため、メイン会場まで20分以上の自走が必要でした。

一度忘れ物を取りに戻った私は、うっかり道を間違えたことで30分ぐらい掛かりましたけどね。

そして時刻は8時40分。

なんやかんやで会場に辿り着き、うちの人と合流してスタート待ちの列に並びます。私たちのスタートは第7グループ。全体で一番最後のスタートグループになります。加えてグループの中でも最後尾から2列目に並んでおります。まあ今日は完走することが目標ですし、このあたりはどうでもいいでしょう。

それにしてもすごい数の参加者ですね。普段は一体どこにこれ程のサイクリストが生息しているのやら。

ざっくり20分程度経過して私たちの列がスタートしました。富士北稜公園を出発後1kmはパレード走行となります。

「なんかゴロゴロいわせているバイクがおる…」

ここで見覚えがある自転車を発見。3年ほど前に四国一周の途中で今治店に立ち寄っていただいた方でした。今回は昨年DNFだったご友人の完走をサポートされるとのことでした。なお、このあと無事に完走されていました。おめでとうございます。

スタートラインが迫ったところで、うちの人に声を掛けて自分のペースに切り替えます。

「もってくれよオレの膝」

ここから先は脚の具合に気を配りつつ、ペダリングの軌道と深くリラックスした呼吸に集中して、7割ぐらいまでの強度を意識しながら淡々とゴールを目指します。

基本的には道路の左端からセンターラインにかけて、走行スピードが遅い順にラインができあがります。ちなみに第1〜4グループあたりは早朝スタートのため、この時間帯になりますとゴール後の参加者が反対車線を下山してきます。その影響もありまして、タイムを狙う層にとっては自由に追い抜きができないことがネックとなります。まあ今日の自分にとっては問題ないのですけどもね。

そういえば、今回はコスプレをしている参加者をあまり見かけないなと思っていたら、下山グループの中に芦毛の怪物を見かけました。やっぱりダービーには出れんかったんか。

フィジカル的にあまり無理ができない状態とはいいましても、追い抜きを必要とされる場面は多々あります。

先行者を追い抜く際は「前に行きま〜す」とか「右から抜きま〜す」とか。声を掛けながらタイミングを見計らいつつ追い抜く展開がひたすら続きます。

富士スバルラインは平均勾配が5%程度ということで、ヒルクライムレースのなかでは高速コースと呼ばれる部類になります。コース中に数か所ある8%程度の勾配(最大勾配は7.8%)区間を除けば、走力によってはそれなりの速度域で走る時間が長くなります。イメージとしては少し向い風を感じる速度域ですね。

そういった展開では同じぐらいの速度域で走る数名のグループ(ガチ勢っぽく言うところのトレイン)に入りますと、風よけを利用しつつペースを維持しやすくなります。

もしも後ろから速いグループが来たらそちらに乗り換え、そのグループも少し遅いなと感じたら、タイミングを見計らって先行する。そしてしばらく単独で走る。

そしてさらに少数のグループができる。序盤から中盤まではこの展開が繰り返されます。

コース中盤あたりに差し掛かると多少スペースができる瞬間も増えますが、人の多さは相変わらず。この先は何度か中盤までに形成されたグループから抜け出した2名の方と、おおよそ同じぐらいの位置を進む展開となりました。

「嗚呼、腰が痛えぇ…」

あらかじめ前傾姿勢を緩めたバイクセッティングに変更しているとはいえ、怪我でサイクリングから離れていた私にとっては腰が痛くなる場面も。こうしてときどきストレッチをしながら負担を軽減します。

それでも。

コース全体の勾配が非常に緩いことに加えて、昨年コンポーネントを組み替えた際に11-34Tのカセットスプロケットを装着したこともあり、フロントアウターギアでも十分にペースを維持できた点には助けられました。もしもベストな状態だったなら、11-30Tのギアレシオがマッチするでしょうね。

なお、終盤に差し掛かった辺りでGOPROのバッテリーが終了していたため、残念ながらここからゴールまでの画像がありません。チキショーめ。

ゴール手前2kmからはほぼ平坦といえる区間。

ここでは35〜40km/hまで加速していきます。

先行者に追いついてはパスしていきます。

ゴールまで残り500m。

序盤からほぼ同位置を走った二人の方と競り合い。

不思議なものでして、モチベーションなんて全くなかった私ですが、この瞬間だけ勝ちたいという気持ちが沸いてきてめっちゃ頑張りましたよ。

ゴール後。そのお二人から「ありがとうございました」「良い刺激を貰いました」というお声をいただけた事に、辛かった2カ月間も少しだけ救われた気がしました。あらためまして、この場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございました。

ということで。

うちの人がゴールしてくるまで、売店でお土産を購入したり、ソフトクリームを食べて待機します。

よく頑張りました。

しっかりと防寒対策をして、準備が整い次第グループごとに下山します。

メイン会場に戻ったあとは完走タイムごとにもらえるカラースペーサーを入手するため、これまた超長ーーーーい列に並んだわけですが。正直に申し上げてこれが一番疲れましたね。しかも自分のバイクには使えん。

そして一夜明けた翌朝。

脚の具合を確認しながら、近所をゆっくり散歩しました。

今もなお現役のこれ。令和の時代ではなかなかレアだと思いませんか?

「すっげぇめっちゃ回る!」

\コンニチハ/

山梨でよく見かける丸石道祖神。700箇所以上あると、このあいだ某アニメで言っていました。

そんなこんなで北杜市を10時半ごろに出発しまして、途中で寄り道しながら12時間のドライブで愛媛に帰ってきました。

「よくぞ帰った」

「で、お土産は?」

「そう、これよこれ!」

お留守番していた2人には静岡のサービスエリアで購入したカツオをプレゼント。

ということで如何だったでしょうか。

「乗せんニャ」

お陰様でゴール後と翌日以降も膝の痛みが増す様子は無かったものの。遙々参加した富士ヒルはほとんどリハビリ的な走りになってしまい、やり切れなかったことに対する虚無感が3日ぐらい抜けませんでした。

\ミツカッタ!/

「あ、剥がすの忘れてた」

それはもう、ヘルメットに貼ったゼッケンシールを剥がすの忘れて、そのまま自転車通勤するぐらいに。

大会から1週間が過ぎ、こうしてブログに書ける程度にはモチベーションも回復してきましたが、フィジカルの方はもう少し時間を掛けながら整えていきます。

それではまた次回のサイクリングで。

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