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【サイクリングの豆知識】暑い夏場を過ごすために準備すること2024年8月15日

こんにちは。今治店スタッフの川村です。
とある夏の日の休日。

午後2時半過ぎまで自宅でアニメをみていたのですが、
「そうだ、尾道に行こう」とふと思った私。
この日の天気は晴れで気温35℃の猛暑日。

「ウウウウウウウウェェェェ」
連日の暑さで電光版もバグってしまったのか?

そんな夏真っ盛りなコンディションの下、
行きは片道2時間半のペースで尾道に到着。

尾道店にご挨拶して帰りのEカン(ヨーカン)をゲット。

U2のカフェでカヌレ食ってカフェラテ飲んで。

帰りは2時間半を切るペースで無事に戻って参りました。
集中していいペースで走ると全然写真を撮らない。
サイクリストあるある。

ですが夏のロングライドは心に響く達成感があります。

スタッフ川村は暑いのが得意ではないですが、この数年は真夏もさほど苦しむことなく乗れています。かつ、サイクリング以外の日常生活についても、以前と比べて心なしか暑さに耐性が身に着いたように感じます。それはなぜでしょう?

ずばり、暑さに順応する準備をしているからです。

今回は熱中症に対する一般的な知識と対策に加えて、わたし自身が意識してきた暑さ対策についてご紹介します。今年の夏、早々に夏バテしてやる気をなくした方も。ぜひ来年の夏に向けて参考にして頂けますと幸いです。

まずは暑さが原因で起きる熱中症について少しおさらいです。
よく見かける資料によると、熱中症は重症度が3段階に分類されています。

【Ⅰ度】
めまいや筋肉のこむら返り(攣り)が起きる

【Ⅱ度】
頭痛や吐き気、心身共に強い疲労感がある

【Ⅲ度】
意識障害(失神)や手足が動かなくなる
著しい体温上昇が起きる

ご覧頂いている皆さんの中にも、Ⅰ~Ⅱ度はライド中に経験したことがあるという方も多いのではないでしょうか。当然、わたしにも経験があります。普段から身体の感覚を意識していれば、Ⅰ度の前段階、もしくはⅡ度の症状が強く出る前に何かしら対策ができると思います。Ⅲ度については早急に救命処置が必要なダメージを負っています。これだけは絶対に避けたいところです。もしもそういった様子の方を見かけたら声をかけ、迷わず救急車を呼んでください。その上で氷や水など冷やせるものを1分1秒でもはやく持ってきて、大腿や首まわり、脇の下など太い血管の周りや胴体に当てて体温上昇を抑制してください。いずれにおいても熱中症の発生原因は高気温、運動などによって体内の水分と塩分量のバランスが崩れて体温調節機能や循環機能が破綻するところにあります。


で、この熱中症といういわば夏の魔物。
その日いきなり発症するというよりも、かなり前の段階から原因となる要素が積み重なって発症することが多いです。よく言われるのが水分と栄養不足、睡眠不足による影響ですね。睡眠不足は自律神経の働きに支障が生じ、体温調整機能によろしくない影響がでます。なお、栄養についてはごく一般的な食事さえしていればさほど問題はないとは感じています。

私自身は食べ物に好き嫌いがなく、基本的に好きなもの(そのときに食べたいもの)を食べるようにしています。ちなみにお酒はほとんど飲みませんが、時にはインスタントラーメンも食べますし、ピザやハンバーガーだって食べます。要は極端な偏食をしないことですね。

ここでとくに重要となるのが『水分』です。
成人男性の場合は体重の60%ぐらいを水分が占めているそうで、普段は飲食(白米はとくに水分を多く含みます)による補給と、身体からの蒸発や排泄に伴う消費でバランスを取っている時にはとくに問題が起きません。が、夏場の暑い環境で過ごしたり激しい運動をすると発汗にともなう消費量が増えるため、このバランスが崩れやすくなります。

加えて塩分も大量に消費されることで神経系や筋肉に影響が生じ、最終的に熱中症になってしまうんですね。一説によれば体重1Kgあたり約35mlの水分摂取が必要と言われているため、たとえば体重が50kgの人なら1日1.7Lが目安になります。これ、暑い環境で仕事をする方や運動をする場合には+αで水分を摂る必要があります。ほぼ毎日ライドをする私の場合、このあたりにも気を付けて水分補給をしています。ちなみに水分を多く消費するアルコールを含むお酒を頻繁に飲む方や、利尿作用があるカフェインを含むコーヒーなどをたくさん飲む方はより一層意識して頂いたほうが良いです。

【スタッフ川村がやっていることその1】
1日2杯以上コーヒーを飲むこともありますが、その分は多めに水分を摂るようにしています。運動中以外にスポーツドリンクを飲み過ぎるのもよろしくなさそうなので、水以外では麦茶を飲むようにしています。ちなみに夜寝る前や朝起きた際にコップ1杯の麦茶を飲むのが最近のルーティンです。これ、意外と効果を実感しています。※運動中以外でも水分の吸収効率に優れたスポーツドリンクは体調管理に有効な場合もあります。

次に『ライド中の水分補給』について。
運動中は筋肉を動かして上昇した体温を冷やすため、身体は通常よりも多くの水分を汗として消費、蒸発させることで熱を逃がします。そのため一般的に運動中は1時間で500cc以上の水分摂取が理想といわれています。そこには当然、身体の機能に必要な塩分なども含まれます。よくスポーツドリンクによる水分補給が有効的と言われるのは塩分不足を補う役割のほか、水分に対して理想的な割合で糖分(ブドウ糖)とナトリウムが配合されているためです。ブドウ糖とナトリウムは同時に腸から吸収されますが、ここに引き寄せられる形で水分も吸収されます。

加えてサイクリングがほかのスポーツと比べて特殊な点が『走行風』の存在です。屋外で走るという点で言えばランニングやサッカーなどのスポーツもありますが、サイクリングの場合は走行中に受ける風の強さと量が段違い。かいた汗は風を受けて次から次へと乾いていきます。汗は蒸発することで空気中に体温を逃がします。

そのためそれなりの速度で走行していると、暑い夏でも案外涼しく感じる瞬間があったりします。つまりそれだけ汗の消費自体が早いということになります。ペダルをこぐ運動強度とそれに伴うスピードによっては、とても多くの水分補給が必要になります。ここ、サイクリング初心者にとっては意外と盲点なんですよ。

そこで迅速な水分補給を可能とするサイクリングボトルが大切なアイテムになります。信号がほとんどないしまなみ海道や郊外のルートを走る場合、ペットボトルではどうしても水分補給のタイミングをおろそかにしがちなんですよ。これもサイクリング初心者あるあるですね。ちなみにライド中の水分補給がしっかりできているかどうかは身体の感覚のほか、帰宅後に体重を計測する方法でもある程度判断ができます。出発前よりも3kg以上体重が軽くなっていたら、無意識に相当なダメージを負ってる場合もあるので気を付けましょう。そういう日の晩酌は脱水症状に拍車をかけるので基本NGですよ。

【スタッフ川村がやっていることその2】
冒頭にお話しした5時間ほどのライド中、1本600ccのサイクリングボトルに換算すると6本は飲んでいます。内容は麦茶が1本、そのほかはスポーツドリンクです。これ知らない方が聞くと多過ぎると思うでしょう?そんなことは無いんです。ちなみに運動強度とペースを抑えたライドの際は、これよりも若干少ない水分補給でも大丈夫な印象です。このあたりは個人差がありますね。

ライド中は凍ったドリンクなどを購入してジャージの中に入れ、直接アイシングしたりすることも。

冷たいものを食べて身体の内側から冷却するなどもしていますよ。

先ほど体重の60%ぐらいは水分というお話が出ましたが、そこには筋肉量によってある程度の差があります。筋肉は脂肪よりも多くの水分を蓄えることができるそうで、なんと筋肉の70%ぐらいは水分なんだそうです。運動不足の人が熱中症や脱水症状になりやすい印象があるのはそういった理由なんですね。暑いからといってダラダラと部屋で過ごして運動不足になっていたり、夏バテで運動量(と食事量)が減る→筋肉量が低下するというのが、まさしく負のスパイラル。なので継続的に運動をすることで筋肉量を増やす、もしくは維持することが非常に大切なんです。そういう意味では脚の大きな筋肉を鍛えるスクワットや、体幹を鍛えるプランクトレーニングなどは走力アップ以外の観点でも有効だったりします。

【スタッフ川村がやっていることその3】
わたしも春先からプランクメニューを続けておりまして、最初は1セットやって悶えていた3分間メニューを今は連続3セットできるようになっています。2セットできるようになったあたりから、長い時間安定したペダリングとフォームを維持できるようになった印象です。

ここまでの対策をそれなりに意識した上で、
私が最も効果を感じる対策は「暑熱順化」です。
人間の身体にはある程度その環境に順応する機能が備わっていて、暑さについては身体から水蒸気として熱を逃がすことで異常な体温上昇を抑制しています。この機能を真夏の暑い時期に最大限発揮するためのトレーニングを暑熱順化といいます。水分を摂って汗をかくという、身体の冷却機能をしっかり働かせること。さほど汗をかいていない時でも人間の身体は僅かに水蒸気(気化熱)を発しています。この身体の機能、冷房が効いている部屋で何もしていないで生活していると、段々と退化していきます。そのうえ近年は梅雨明けを待たずに猛暑日が来る場合もあるため、身体の冷却機能が強烈な暑さに対応する前に夏が来てしまうんですよね。なので昔と比べて暑熱順化の重要度が増しています。

わたしの経験上、年間通して熱心に走り込んでいるとそれほど強く意識しなくても暑さに身体が適応するケースが多いです。それだけ季節の変化に対応するのが上手ということですね。

反対に運動する習慣がほとんどない、例えばサイクリングなら走るのが月2〜3回程度という場合。気温30℃を超える7月や8月に入ってしまうと身体が暑さに慣れる前に夏バテ気味になってしまう方が多い印象を受けます。それに加えて運動習慣がないと筋肉量が少なくなるため、身体に蓄えることができる水分量自体も少なくなりますからね。そこでぜひ行って頂きたいのが暑熱順化トレーニングです。

暑熱順化トレーニングの目安
◇少しきつめの強度で30分から1時間の運動をする
◇運動前、運動中、運動後の水分補給は必要量を摂る
◇最低週3回の頻度で行うと2週間程で効果がある

【スタッフ川村がやっていることその4】
5月から6月の梅雨入り、梅雨明けの期間は暑熱順化を意識しています。どちらかと言えば年間通じてほぼ毎日走るサイクリストに分類される私ですが、半袖ジャージとビブショーツで1日走ることができる気候になった季節は少しきつめの運動強度でしっかり汗をかくペースでロングライドを走ります。このとき水分補給は先ほどお話したとおり1時間で500cc以上飲むようにしています。ここである程度の暑熱順化ができていると、本格的な夏場にも対応するのが早くなる感覚があります。

どれだけしっかり暑さ対策をして準備した状態でも、ときには暑さによる疲労を蓄積することもあります。ここで肝心なのは身体の状態が熱中症「Ⅱ度」に踏み込む前にしっかり回復に専念することです。朝起きた際、身体に前日までの暑さが残っている感覚がある時は要注意。深部体温が常に高い状態が続くと、睡眠の質も低下するため回復力が低下します。

【スタッフ川村がやっていること5】
なんだか身体の中に暑さが残っているなぁという時は冷水シャワーや水風呂に入り、冷房の効いた部屋でガッツリ睡眠時間をとります。動くときは動く、休む時は休む。体内に感じる暑さをできる限り次の日に持ち越さないように気を付けます。また高気温下の運動では筋肉のダメージも大きくなるため、ライド中は糖質を中心とするカロリー補給はもちろんのこと、ライド後は筋肉の再生に必要なタンパク質をしっかり摂ります。ストレッチをすることで身体の柔軟性を保つことも効果的です。

さて、いかがだったでしょうか。
「今年の夏も暑くてなにもできなかったな」という方。
来年はしっかり準備をして夏を満喫してみませんか。
日常生活の中で感じる身体の負担も軽減できますよ。

それではまた次回。

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