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ヘルメットの快適さを比べてみました。後編2021年1月24日

前回のつづきです。

ヘルメット着用時の快適さを高める要素。

通気性について4つのヘルメットを比較します。

・REV ASIA MIPS

・REV PRO ASIA MIPS

・COMPEL AISA MIPS

・PURSUIT

 

【比較方法】

走行前に額・頭頂部・側頭部(左右平均)

それぞれ3箇所の表面温度を計測します。

走行後、同様に計測して走行前との温度差を比較します。

今回は冬場という条件の為、

「走行前よりも温度が大きく低下するほど、

高い通気性と優れた冷却効果を備えたヘルメット」

と考えてみました。

冬はただ寒いだけの通気性ですが、

夏場は快適性に大きく貢献します。

走行時間は約1時間。

平坦路、登り坂、下り坂の複合コースです。

サイクルキャップを被った状態で表面温度を計測します。

気温10℃前後、別々の日に比較をしています。

屋外、さらに市販の温度計を使用する点など。

厳密な実験環境下での結果ではないので、

数値の方は参考程度にして頂ければと思います。

~裏話~

室内で扇風機を使用する方法を試みましたが、

身体が温まらない割に冷え具合は強く、

耐えかねて泣く泣く計画を変更しました。

 

それでは計測結果と使用感をご紹介して参ります。

・REV ASIA MIPS

計測部位:走行前→走行後

額:24.7℃→22.4℃(-2.3℃)

頭頂部:24.0℃→21.4℃(-2.6℃)

側頭部:25.7℃→22.4℃(-3.3℃)

【使用感】

やはり、体感する通気性の高さは一番です。

平坦路を速い速度で走行する際はもちろん、

20km/h以下の低速域でも通気性の良さを体感できます。

過去にMIPS未搭載のREVを使用していたこともあり、

MIPSプレートで通気性は若干低下している感はありますが、

通気孔の1つ1つが大きいことで、

外気に晒される面積が多い点も計測に影響したようです。

重さについてはノーマルREVに若干劣るものの、

MIPS搭載による重量増はそれほど気になりません。

 

 

・REV PRO ASIA MIPS

額:26.5℃→25.2℃(-1.3℃)

頭頂部:26.4℃→24.3℃(-2.1℃)

側頭部:25.9℃→25.4℃(-0.5℃)

【使用感】

さきほどのREV AISA MIPSに比べて、

額および側頭部の温度低下が少ない結果となりました。

当店スタッフが「あまり涼しくない気がする」と感じた理由は、

前方の低い位置に配置された通気孔から風が入りにくく、

額と側頭部に熱が溜まりやすいことが原因なのでしょう。

ですが。

頭頂部はしっかりと温度が低下しており、

実際に風抜けの良さもはっきりと体感できます。

前面中央と左右にある大きな通気孔より進入した風は、

頭とヘルメットの間を通過して、

上部と後方の通気孔から排出されています。

高速走行や強い向かい風ではより強く効果を感じます。

もう一つ。

ほかのヘルメットに比べて特徴的なのは、

後頭部の通気性です。

フットボール形とでも言いましょうか。

独特な形状で後頭部に大きな隙間を設けています。

かなり深めの前傾姿勢をとった際に、

後頭部から首にかけて「スースーする」感覚があります。

速度域が非常に高いロードレースを想定して、

空気抵抗と通気性のバランスをとった結果が、

この独特なREV PROのデザインなのでしょうか。

REV ASIA MIPSと比べて、

被り心地が重くなったという感覚は然程ありませんが、

価格帯をふまえて本音を申し上げますと…。

従来製品よりも軽量化を視野に入れて欲しかったです。

 

 

・COMPEL ASIA MIPS

額:25.2℃→23.8℃(-1.4℃)

頭頂部:26.4℃→25.2℃(-1.2℃)

側頭部:26.3℃→25.5℃(-0.8℃)

【使用感】

まずはバイザー無しの状態で使用してみました。

 

他のモデルに比べても通気孔の数が少なく、

穴のサイズが小さい為、通気性は劣ると予想しましたが、

適度に風の流入を感じることができました。

ただ、側頭部や後頭部へ風が抜けにくく、

長い登り坂では熱がこもってしまう印象を受けました。

今回はロードバイクに乗って比較をした影響もあり、

ドロップハンドルを握る深い前傾姿勢では、

他のヘルメットよりも首元に重さを感じました。

と、ここで。

専用バイザーを観察中にハッとしました!

なんとなくですが、

通気孔に風を導きそうな形状をしているような。

早速走行してみると予想は的中しました。

額の辺りにある小さな通気孔へ、

上手い具合に風が送りこまれてきます。

まさか日差しよけ効果以外にこんな影響があったとは!

なかなか興味深い結果でした。

ロードバイクで深い前傾姿勢をとると、

バイザーが視界を妨げてしまいますが、

クロスバイクに乗る際は有効的なアイテムになりますね。

 

番外編

・PURSUIT ASIA

額:24.7℃→21.7℃(-3.0℃)

頭頂部:23.6℃→21.1℃(-2.5℃)

側頭部:24.3℃→23.3℃(-1.0℃)

【使用感】

ほかのモデルに比べて、

額部分の温度低下が際立っています。

その理由は前方部分に大きく配置された通気孔でしょう。

進入した空気は内部を通過して、

ヘルメット後方の通気孔から排出されます。

その際に密閉された内部を空冷する仕組みです。

空気抵抗の原因となるヘルメット周辺の風の流れを乱さず、

冷却効果を求めた結果、このような構造になったそうです。

非常に革新的なデザインコンセプトですが、

もちろんそこには弱点もあります。

ヒルクライムなどで低速走行が長く続くと、

風の流れが弱く、外気に触れる面積も少ない為、

冷却効果がぐっと低下します。(経験談)

「通気孔から水をかけて冷やす」という荒業が出来ない点も。

そういった点を含めますと、

新型のREV PRO はオールラウンドなエアロヘルメットと言えますね。

 

如何でしょう?

使う場所や季節、走り方によって、

ヘルメットのタイプを使い分けるのも1つの方法ですね。

ヘルメットご購入の際などに、

ご参考にして頂ければ幸いです。

 

ジャイアント/リブストア今治