ジャイアントストア今治
【スタッフのカスタマイズ】意外と奥が深いカセットスプロケット2022年9月15日
こんにちは。今治店です。
さて、後ろのギアに使われているこちらの部品。
『カセットスプロケット』
と言います。
皆様はどの様なものをお使いでしょうか。
このブログをお読み頂いている方の中には、
「車体購入時に付いてきたそのままだよ」
という人もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな方にぜひお試し頂きたい、
今回はカセットスプロケットのカスタムをご紹介します。
まず、このカセットスプロケットについて、
少しだけおさらいします。
チェーンが掛かっているギアにご注目。
◇小さいギア(トップギア)
「こぎの重いギア」とも呼ばれておりまして、
クランク1回転に対してホイールがたくさん回転します。
非常に車速が伸びるギアのため、
加速後の平坦路や下り坂で使用します。
◇大きいギア(ローギア)
「こぎの軽いギア」とも呼ばれておりまして、
クランク1回転に対してホイールはゆっくり回転します。
あまり車速は伸びない分、少ない力でゆっくり進むため、おもにきつい登り坂などで使用します。
ローギアとトップギアの間には、大きさの異なるギアが数枚配置されており、
それぞれにチェーンを移動させることで、道路の勾配変化や風向きなど、様々な状況に対応します。
今回、ポイントになるのがここです👆
近年、弊社で展開する完成車の多くには、
登り坂でのこぎの軽さを重視するギアが装備されています。
これはスポーツバイクのご購入の車体が初めての方や、
サイクリングをこれからはじめるという場合には、とても安心できる要素にもなります。
でも、ある程度の体力と走力が身につき、サイクリングのルートも定番化してくると、
標準装備のスプロケットではイマイチに感じる場面も。
それは「ギアの繋がり具合」です。
今回、参考にするのはこちらのモデル。
TCR ADVANCED 2 KOM
このバイクに標準装備されるカセットスプロケット
SHIMANO 105 の11S 11-34T
製品名はCS-HG700です。
なお、「11S」は11段変速、
「11-34T」はカセットスプロケットの大きさです。
11はトップギア、34がローギアの大きさを示しています。
数字自体は1枚あたりの歯数(Teeth)を示します。
こちらのスプロケット。
トップギアからローギアまで歯数を順番に並べますと、
【11-13-15-17-19-21-23-25-27-30-34】
といった具合の構成になっております。
それぞれ、隣のギアと2~4つほど歯数差があります。
隣との歯数差が大きいほど1段変速後のこぎの重さ、
こぎの軽さの変化量も大きくなります。
このギアの歯数差。
最初はそれほど気にならないのですが、
ある程度ロードバイクに慣れてくると、
若干、不満を感じる瞬間も増えてきます。
わずかな勾配変化や速度変化に対して、
変速を積極的におこなえる技量が身についてくると、
「もう少し丁度いいギアがほしいな」
というような欲が出てきます。
また、こちらのTCR ADVANCED 2 KOM は
フロントチェーンリングも「こぎの軽い」歯数を採用。
50はアウターチェーンリング(外側)の歯数
34はインナーチェーンリング(内側)の歯数
もともと「こぎの軽い」歯数が採用されている影響もありまして、
「カセットスプロケットの30や34Tを使うことは殆どない」
という方が多かったりもします。
たとえば、前のギアを34T、後ろのギアを34T
この1:1のギア比を登り坂で使用した場合。
徒歩と同じ速度で激坂を進むイメージです。
こうなると、真っすぐ走ることが難しい…。
おそらく。
20年以上前からロードバイクに乗っている方には、驚きのギア比だと思います。
【ここでちょっと豆知識】
かつてのロードバイクには、現代の様な軽いギアの設定はありませんでした。
たとえばサイクリストなら一度は憧れる、シマノ社の最上級コンポーネント。
「DURA-ACE」
90年代の頃はなんと、
リアの変速段数は9速だったんですよ。
なお、シマノ公式ページでは、
その歴史が紹介されています。
(いろいろな製品の歴史が観れて面白いです)
この当時。
一番軽いギアでもフロントは39T以上、
リアは23T程度が当たり前という時代でした。
ちなみにこの9速という段数。
現在でいえばシマノSORAと同じです。
なお、現在のデュラエース(Di2)は12速。
時代の流れと共に、技術は進歩しております。
ちょっと話が逸れてしまいましたが、
「そんな軽いギアほとんど使わないよ」という方に。
カセットスプロケットの交換がお薦めです!
SHIMANO 105の11速用スプロケットの場合、全5種類の歯数構成が展開されています。
たとえば、TCR ADVANCED 2 KOMにお乗り頂いていて、
「ロー側の30や34Tを使う場面が無い」という方でしたら、
部品名CS-R7000の中から、11‐28Tのカセットスプロケット。
【11-12-13-14-15-17-19-21-23-25-28】
という歯数構成に交換してみるのがお薦めです。
標準装備のカセットスプロケットと比べてみると、
【11-13-15-17-19-21-23-25-27-30-34】
【11-12-13-14-15-17-19-21-23-25-28】
全体的に隣同士の歯数が近くなっていますよね。
28Tだとちょっと登りが不安…
という方には、11-30Tがお薦めです。
こちらは、
【11-12-13-14-15-17-19-21-24-27-30】
という歯数構成になります。
このように、ギアの繋がり具合を考慮したカスタマイズを「クロスレシオ化」と言います。
この写真、右は11-34T、右は11-23Tです。
どちらも11速カセットスプロケットです。
クロスレシオ化をいたしますと、細かな変速操作でペダルのこぎを調整しやすくなります。
「交換前よりも速くなった!」と、感じるほどではありませんが、
変速操作を積極的に行う場合、非常に効果的です。
あと、スプロケットは小さくなるほど、軽量化にもなります。
参考までにシマノのカタログ値をご紹介。
CS-R7000の11-28Tで284g
CS-HG700の11-34Tで379g
実際に持ち比べてみると、中々の違いです。
なお、カセットスプロケットの歯数を大きく変更すると、
チェーンの長さを調整したり、リアディレイラーの仕様変更が必要になる場合もあります。
今回ご紹介したTCR ADVANCDED 2 KOMの場合、
11-28Tへの変更ではチェーンの長さ調整と、標準装備のリアディレイラーを調整するだけでOK
このほか11-25Tや11-23Tなど、より小さいスプロケットに変更する場合は、
リアディレイラーの変更も必要になります。
使用する変速段数やコンポーネントにより、カセットスプロケットの選択肢も異なります。
今回のようなカスタマイズ。
お乗りの車体でご不明な点などがございましたら、
定期点検の際などに、スタッフまでお尋ねくださいませ。
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