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自転車乗りの膝のお皿周りの痛みについて2019年11月16日

自転車乗りの膝のお皿周りの痛みについて

今回は前回ご紹介した腸脛靭帯炎(膝の外側の痛みの主な原因)と並んで多い「膝のお皿周りの痛み」についてご紹介します。

膝のお皿周りの痛みは、実際に痛みを出している場所によって、もっと細かく診断がなされます。

診断名としては、「膝蓋靱帯炎(しつがいじんたいえん)」や「膝蓋腱炎(しつがいけんえん)」などがあります。

お皿の下に痛みがある「膝蓋靱帯炎」、お皿の上に痛みがあるのが「膝蓋腱炎」です。

自転車乗りの膝のお皿周りの痛み

痛みの原因

「膝のお皿」を医学では「膝蓋骨(しつがいこつ)」と呼びます。

この膝蓋骨は膝を伸ばす筋肉の働きを助けるために存在していて、膝を伸ばす働きがある筋肉の力が集中する場所です。

膝を伸ばす筋肉(大腿四頭筋)は大きく、人体の中でも一二を争う強力な筋肉です。

自転車ではペダリングによって、その大きな力が何度も何度も繰り返されることでダメージが蓄積されて、痛みを生じることがあります。

大雑把な言い方をすれば、大腿四頭筋に頼りすぎているペダリングが痛みの原因です。

大腿四頭筋に頼りすぎないペダリング

では、どうすれば大腿四頭筋に頼りすぎないでペダリングが出来るのでしょうか。

軽いギヤをクルクル回せ

まず、簡単なのはギヤを重くしすぎないことです。

軽いギヤであれば、大腿四頭筋もそんなに大きな力を必要としないので、ダメージを受けにくくなります。

ただし、そのままではスピードも落ちてしまうので、ペダルの回転数(ケイデンス)を上げる必要があります。

軽いギヤをクルクルと回すのは、慣れないと難しいですがダイエットなどにも有効な走り方ですので、ぜひ身につけたいペダリングスキルです。

大殿筋とハムストリングスを使え

もう一つは、他の筋肉で補うことです。

具体的には、お尻の筋肉(大殿筋)や太もも裏の筋肉(ハムストリングス)を優位に働かせるペダリングを身につけることです。

足を肩幅に開いて、スクワットをしてみてください。どこの筋肉を使いますか?

スクワット(悪い例)

多くの人は太ももの前、つまり大腿四頭筋を使う感覚が大きいのではないでしょうか?

次に、膝がつま先より前に出ないようにして、さらにおヘソを前に、お尻を後ろに突き出すような感覚でスクワットしてみてください。

すると、どうでしょうか?太もも裏やお尻の筋肉を使う感覚がわかりますか?

この使い方が大殿筋やハムストリングスを使ったペダリングで大事な使い方です。

この使い方を自転車で実現するには、ペダル・サドル・ハンドルの位置関係、つまり、ポジションが大切になってきます。

膝のお皿周りに痛みが出ている場合は、サドルが低く、後すぎる人が多いです。

サドルが低いと大腿四頭筋優位になりやすいですし、サドルが後過ぎても大殿筋・ハムストリングスは使いにくいです。

またハンドル位置が近すぎたりしてアップライトすぎる姿勢では、大腿四頭筋優位になりやすいので、上半身の適度な前傾も必要です。

まとめ

上記のように膝のお皿周りの痛みは原因は単純に説明がつくのですが、それを解消するのはやや複雑です。

しかし、これを解消することは痛みを消すことばかりでなく、楽に速く走れるようになります。

この記事を参考にポジションを見直してみるといいかもしれません。

ご自身ではわからない場合は、ご相談くださいね。

当店ではバイクフィッティングメニューをご用意しています。

簡易バイクフィッティング

所要時間 90分程度

内容 サドルの調整・提案、ハンドル・ステムの調整・提案

※クリートフィッティングは含みません。

料金 15,000円(税別) パーツ代、交換工賃は別途必要です。

 

レーザー機器を用いたバイクフィッティング

所要時間 180分程度

内容 レーザー機器を用いたサドルの調整・提案、ハンドル・ステムの調整・提案、クリートフィッティング

※必要に応じて、ストレッチ、トレーニング指導も行います。

料金 35,000円(税別) パーツ代、交換工賃は別途必要です。

 

※バイクフィッティングメニューはすべて完全予約制です。

 ご予約は店頭またはお電話にてお承りします。

注意すべきこと

「膝のお皿周りの痛み」の中には、関節内部(半月板など)の損傷に由来するものが混ざっている場合があります。

その場合は整形外科医による「治療」が必要となります。特に痛みの他に、膝で引っ掛かり感があるような場合は要注意です。

その危険性を除外するためには、スポーツ整形外科での診断が欠かせません。素人の自己診断は危険です。