ジャイアントストア京都紫明通

»トップへ

タイヤのひび割れを防ぐ2025年5月4日

タイヤのひび割れについてご案内です。

 

タイヤの劣化現象の一つにひび割れがあります。

タイヤのひび割れの要因は様々あります。

  • 直射日光(熱・紫外線)
  • 水濡れや湿気による加水分解
  • 油の付着
  • オゾン
  • 洗剤
  • 空気圧
  • 過負荷

こうして見ると自然環境下の全てが原因に思えますが、中でも、タイヤ空気圧の管理不足によってひび割れを促進させてしまっているケースをよく見かけますので、現在当店で把握している因果をご紹介いたします。

 

 

結論としては

適正値よりも高い空気圧、もしくは低い空気圧を保つことでひび割れを招きやすくなります。

 

――—

空気圧が高い場合

まず、空気圧が適性よりも高すぎる状態を保つと、

  • タイヤの地面と接する面
  • タイヤに設けられた溝部分

これらの箇所にひび割れが発生しやすくなるようです。

これは強い内圧による「裂け」です。
特に水切りの溝が用意されているタイヤは、そのタイヤ溝に集中してひび割れが発生します。

これは溝の部分のゴムが薄いためです。

 

#甲張り強くして家を押し倒す

タイヤの空気圧を高めにすると、走行感が軽快になったり、空気を入れる頻度を長くしたり、段差にタイヤを打ち付けるパンク「リム打ちパンク」を軽減できることが見込めますので、少し多めに入れたくなるお気持ちはとても共感できるのですが・・・

それによってタイヤのひび割れを通常よりも早く発生させてしまっては本末転倒で、交換等を案内する私共としましても大変心苦しく思います。
どうぞご理解くださいませ。

 

また、暑い季節は直射日光等でタイヤの温度が上昇するとことにより、意図せず空気圧が上昇することがあります。
ご留意ください。

 

――—

空気圧が低い場合

逆に空気圧が低すぎる状態を保ちますと、タイヤ側面に細かいひび割れが発生しやすくなるようです。

これは、走行中にタイヤが潰れすぎるためです。
人が乗ると、タイヤの接地している部分は大なり小なり潰れるように変形します。
タイヤの空気圧が低いとその潰れが過度になり、タイヤ側面にストレスがかかることでひび割れが発生しやすくなります。

_

――—

空気圧の適正値について

では、タイヤの空気圧の適正値はどれぐらいなのでしょうか?

→千差万別です。

タイヤの適正値空気圧は…

  • タイヤの種類
  • 乗る方の体重
  • バイクの重さ
  • 載せる荷物の重さ
  • 走行速度・道の状況
  • 天候
  • 季節

…など様々な要素で変動するため、本来は個別にご案内する必要があり、この場で一概に申し上げられるものではございませんが、日々の点検で拝見する皆さまのタイヤのご使用状況から、おおよその場合、タイヤ側面に表記されている【最大値に対して50〜70%程度】が良いのではないかと現在判断しております。

※IDIOMのような細いタイヤの小径車は、タイヤ表記の最大値に対して80~90%程度をご案内しています
_これは、タイヤが細く/小さくなるほどに必要圧が増えるためです。

タイヤの空気は乗る乗らないに関係なく時間で減少することを十分にご理解いただきまして、

  • 1ヶ月に1〜2回
  • メーター付きのポンプで
  • タイヤがパンパンにならない程度に

空気を入れてください。

_

_

空気圧とひび割れの関係に関しては以上になりますが、タイヤの製品寿命をさらに伸ばすための方法をいくつかご案内いたします。

①直射日光を防ぐ

タイヤは、特に紫外線によって劣化が促進されるようです。
完全に遮断することはもちろん不可能ですが、駐輪場所を屋内にしていただいたり、カバーを掛けたり、長時間駐輪する際には日照時間が短い場所に変更していただくだけで改善が見込めます。

②湿気対策

タイヤのひび割れは、水分による「加水分解」によっても引き起こされます。
加水分解とは、ゴムが水分を吸収して、ゴム内部から割れてしまうようなイメージです。
これも「絶対に水に濡らさない」などの使い方は不可能ですが、避けられるのであれば雨ざらしを避け、濡れたタイヤは使用後に乾拭きするなどで、長寿命化が見込めます。
ご自宅での保管に自転車カバーを掛けていらっしゃる場合、カバー内に籠る湿気によって加水分解が促進される場合もございますので、特にご使用頻度が少ない場合(目安週1以下)は、カバー内の空気を換気してください

③洗いすぎない

タイヤのゴムには劣化防止剤が含まれています。
タイヤを洗う際に洗剤を使用すると、タイヤ表面に滲み広がっている劣化防止を除去してしまう可能性がありますので、タイヤへの洗剤の使用はなるべくお控えいただく方が良いと考えます。

④油分を付着させない

水分が加水分解を招くのに対し、油分の付着は、染み込みにより膨潤や収縮を招きます。
タイヤのゴムが膨らんだり縮んだりするんですね。
チェーンオイルやディグリーザーの飛び散りなどにご注意ください。
なお、タイヤワックス(特に油性)のご使用もお控えいただく方が良いと考えます。

⑤オゾンの発生源から離す

オゾン(O3)に晒されることでもひび割れが生じやすくなるようです。

モーターが組み込まれた装置やコンプレッサー等の放電部、または車やバイクの排気ガスから微量なオゾンが発生するらしく、それらの至近距離に駐輪していると、タイヤにひび割れが生じやすくなる可能性があります。

_

_

長くなりましたが、案内は以上となります。

タイヤはゴムですから、結局のところ年月の経過でひび割れが発生したり硬化してしまう旨はご理解いただいたうえで、タイヤをより良い状態で長くご使用いただけましたらと思い、その一助となればとご紹介いたしました。

 

参考にしていただけますと幸いでございます (^_^)