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【スタッフのサイクリング】だいたいロードバイク乗っている人がMTBに乗ってみた2025年3月1日

前日に右のハムストリングスを痛めてしまい、次の日テーピングとシップを張って久しぶりにMTBを乗ったら楽しくて、けっきょくほぼ1日中乗っていた人。

こんにちは。今治店スタッフの川村です。

ということで。今回はアスファルトを離れまして、久しぶりに土の地面で楽しむMTB回となります。

 

【ことのはじまり】

それは2024年のクリスマスイブが近づき、凍えた空気に包まれた街もどこかソワソワしはじめた夜のこと。本社から届いた1通のメールからはじまりました。

スタッフ川村:「ストアスタッフ向けMTB講習会のお知らせだってよ?」「ふむふむ、西日本会場の大阪箕面なら3時間半ぐらいで行けるし、せっかくだから一緒に参加しよう!」

スタッフ小笠原:「えぇ~マジっすか? うーーん…僕にMTBなんて乗れるんですかね?」(いやまてまて、この人マジでインドア派のオレを連れて行く気なのか?)

スタッフ川村:「たまにはこういうのに参加しておくのも大事だからさ!」

「とりあえず申し込んでおこうか!あっそーれ、ポチっとな」

そして時は流れて迎えた2月25日の火曜定休日。

早朝4時、まだ夜明け前の愛媛県今治市をクルマで出発して3時間半。新名神のとどろみICを降りたあと、会場ゲートに左折する道がわからなくて近くのコンビニ駐車場に入ったところ、すぐ隣に岡山店らしきクルマを発見。ご挨拶したところ、一度先にゲートまで行かれたそうで、曲がる場所を教えていただきました。(いやね。交差点に直進矢印しか無かったら直進するじゃん?)

何はともあれ、無事に「箕面とどろみMTBフィールド」へ到着いたしました。実を申し上げますと、わたくしスタッフ川村。

「北摂エリアのMTB乗りの間ではよく知れたローカルトレイルを走る10年前のわたし」

今治に来る前は、箕面市からも割と近い北摂エリアの街に住んでいた事もございまして、その際はローカルトレイルもときどき利用させて頂いていた経験があります。

そんな私もこちらの箕面とどろみMTBフィールドに訪れるのは今回が初めてとなります。と言いますか、その頃はまだこのフィールドが無かったのかも?

とどろみMTBフィールドのコース入口にあるシンボルも、それらしい世界観を演出しています。

こちらの「箕面とどろみMTBフィールド」は、箕面マウンテンバイク友の会の方々によって管理されておりまして、普段は会員の方が利用するMTBフィールド。今回は豪華講師をお招きして、各ストアのスタッフがMTBの基礎知識とライド体験を通じ、日ごろの業務に活かすための場として、利用させていただいた背景がございます。

会場には西日本のジャイアントストアから約20人のスタッフが集まり、関東の本社から持ち込まれた試乗車を含めて、弊社のMTBがずらりと並んでいました。

講習会がはじまるまでは少し時間がありまして、とくにやる事もなく待機していたのですが。今回の講師を担当していただく方がお声を掛けてくださいまして、「せっかく愛媛からお越し頂いたことですし、ビギナーコースを走ってきたらどうですか?」という事で、サクッと周ってみることに。あらかじめ届いていた配車リストに従って、この日各々が乗るバイクを受け取り、いざビギナーコースへ。

スタッフ川村が今回乗るのは、フルモデルチェンジしたてホヤホヤの新型「Talon 1」です。

わたし、この5年ぐらいは全くMTBに乗っておりませんでしたが。以前は先述のようなローカルトレイルを走ったり、シクロクロスバイクで林道グラベルライドも楽しんだり。ほぼ100%我流ではございますが、一般的なロードバイク乗りの中では、オフロードにも多少の耐性を持つ私。ビギナーコースぐらいでしたら無問題です。

四国は知る人ぞ知る、オフロード林道の天国ですからね。

なんなら普通のミニベロでも、グラベルコースに挑むぐらいの感覚は持ち合わせております。ですが今回の配車について、正直に申し上げますよ?

「ほかの人たちは前後にエアサスペンションが奢られたフルサスモデルを配車されているのに、なんで私だけコイルスプリング式サスペンションで、エントリー向けハードテイルモデルなの?」って最初は思っておりました。

ところがどっこい。この新型Talonは実際に乗ってみると当初の先入観を吹き飛ばすぐらい、非常に乗りやすくて、起伏に富んだオフロードコースでも最高に楽しいバイクでした。あまりに驚きましたので、このバイクに対する詳しい感想も、また別のブログでご紹介しますね。

そして今治店からはもう1人。

オフロードはもちろん、MTB自体が初体験となるスタッフ小笠原が乗るのは、フルサスペンションエントリーモデルの「Stance」です。

エントリーモデルとは言いましても、コース上にある大きなギャップに対しても十分な可動域を備え、調整可能なエアスプリング式サスペンションを前後に搭載しています。

フレームには最新のトレイル専用ジオメトリーを採用しており、抜群のコントロール性を備え、テクニカルな下りもバッチ来いな1台です。

とはいえ、それに乗るスタッフ小笠原はガチのMTB初体験です。なんとか短いコースを1周したのちに、彼はこう思ったそうです。「あっ、これ僕には無理な分野だわ…」

そうそう、大切なことを忘れておりました。

「清水一輝選手、ありがとうございました」

こちらが今回の講習会におけるスペシャル講師。なんと、MTBのダウンヒルレースにて全日本選手権をこれまで5勝。今年は国内最高記録となる6勝目に向けて活動中の清水一輝選手です。ダウンヒル競技といえば、ロードバイクに乗る私達からすると異世界過ぎて、いつもなら動画で観る程度のカテゴリーです。当然そこで活躍する人も未知の存在なわけでして、お会いするまでちょっとドキドキしていたのですが。蓋を開けていれば、初心者から中級者まで、それぞれの目線に合わせてアドバイスや会話をしてくれるめっちゃいい人でした。先の戦績ですとかMTB普及などを含む活動内容について最後にご紹介もありましたが、まさにギャップ萌えというやつです。今の時代に相応しいプロスポーツ選手でした。

「関西のストア女性スタッフと清水選手」

最後には参加した大半のスタッフが、写真とサインをお願いしていましたよ。右奥テーブルには、わたしを含めて清水選手に差し上げたお土産の姿も。そのほかMTBフリークな社内スタッフも数名交えて、1日楽しくMTBを学び、コース体験をすることができました。この場を借りてお礼を申し上げます。

ということで、ここからは講習会の様子です。

基礎練習をはじめる前に、まずは準備運動。ロードバイクで舗装路を走る以上に、ダイナミック且つアクティブな動作を求められるMTBライドでは、これめっちゃ大切です。

準備運動を終えましたら、それぞれのMTBに乗りまして、平らな場所で基礎練習を行います。

ここでポイントになるのは、「走る」「曲がる」「止まる」の基本動作を未舗装路の上で、MTBに乗ってコントロールすることです。

だいたいの内容としましては…

◇バイクの中心に乗る「ニュートラルポジション」を理解する

◇ニュートラルポジションを維持した状態で小さなデコボコを越える

◇ペダル、タイヤに荷重して曲がる

◇前ブレーキだけで前タイヤを狙った場所に止める

◇後ブレーキだけで後ろタイヤを狙った場所に止める

◇スピードを少し上げて狙った場所でタイヤを止める

といった具合にゲーム感覚で楽しみながら、思いのほかフワッとした感じで練習しました。こういうスタイルで練習すると、初心者も緊張がほぐれて素直に覚えられるんですよね。

基礎練習の中で「ここはどうやったら上手くできるの?」という疑問があった際は、その場で清水一輝選手に質問しつつ、もう一度トライしてみたりも致しましたよ。

ひと通り練習を終えたあとは、ビギナーコースを歩いてコース走行におけるポイントを確認します。その後、希望するひとはさっそくMTBに乗ってコースインしました。我々は初っ端からコースで乗っていたのですけど。

さきほど行った基礎練習での動作、そして操作を意識しながら走ると感覚に余裕が生まれます。

スタッフ小笠原も先ほどより余裕があるように見えます。

このあとお昼までフリー走行タイム。ビギナーコースでも不安という人はもう一度基礎練習へ。ビギナーコースはもう飽きたぜ!という人は、清水選手と一緒に中級コースに向かいました。

中級以上のコースは基本的に下りを楽しむ作りになっていて、ペダルをこぎ足さなくても一気に下れる作りになっています。さらに、選ぶラインによってはジャンプセクションも配置されています。ちなみにダウンヒルレースの経験もある大阪店随一のMTB派スタッフは、ガンガンこいで攻めていました。あれはわけわからんです。

一応MTB経験があるスタッフ川村は、この中級コースが大変気に入りまして。特設テントで配り始めた昼食の弁当に目もくれず、コースを下っては登り、また下るということを繰り返しておりました。いうなればキャットホイールでずっと走っている飼い猫の気分。

お弁当食べている時と、めちゃくちゃ激坂を下った先にあるトイレまで自走で行った時を除いて、この風景の右奥にあるコースをずーーーと走っていましたよ。

お昼休憩を1時間ほど取ったあと、講習会は午後の部へ。

「いやいや、画面見えねぇのだが…」←大半の人の声

先に実施された東日本会場を含めて、今回の講習会を企画した本社勤務の人。元々はMTBのクロスカントリーレースを専門とする選手で、近年はシクロクロスレースも走っている、知る人ぞ知る選手でもあります。

午後の部は座学(といっても屋外ですが)からはじまり、サスペンションの種類や構造について説明を受け、さらにその基本セッティングについて学びました。

ここでは主に、路面状態に合わせてサスペンションがしっかりストロークし、タイヤが路面を捉えやすくするためのセッティング。「サグ出し」を中心にそれぞれのバイクを使って実際に調整して、コースを走ってみて変化を体験してみます。

ちなみに今回わたしが乗る「Talon 1」はサスペンションの調整機能がおまけ程度しか無く、サグ出しはもちろんのこと、リバウンド調整機能すら無いのですけど。そこんところどうなんですのん? まあ結果的に楽しいからいいんですけど。

サスペンションセッティングのほか、タイヤの空気圧セッティングによる変化を試すこともいたしました。なお、今回の講習で使用する試乗車は、タイヤ空気圧をあらかじめ1.5barに調整されていました。そこから体重や好みのライドフィーリングに合わせて、セッティングを変更しながら乗り比べます。ロードバイクもそうですが、タイヤの空気圧セッティングは大切ですよね。

そんなMTBでのコース走行。楽しいとは言いましても、コースを下ったらまたスタート地点まで登らないといけないのも事実でして。午後のフリー走行時間が進むにつれて、参加者それぞれの体力に差が出始め、私のようにぐるぐるとコースを走り続ける人もいれば、もう走るのには満足して座って様子を眺める人もちらほら。スタッフ小笠原もお腹いっぱいという事で早々に休憩モードに。連れてきておいて放置してごめんな。

という事で。わたしは午前中に彼が乗っていたStanceを借りて、中級コースでTalon 1 と乗り比べをします。

MTBフリークなスタッフの走りを観察しながら、身体の動きやコースの走り方を変える意識をしてみたり。ほとんど休憩せず、ひたすらコースをぐるぐると周回します。

TalonとStanceはどちらもエントリーモデルではありますが、外観はもちろんのこと、走ったときのバイクの特徴が異なります。軽快なハードテイルのTalonでひたすら走り続けた後にフルサスのStanceに乗りますと、コースを下っている時の身体への負担が軽減されているのを感じます。そしてより楽に、未熟ながら少し速くも走れます。ただし、登りについてはTalonの方が圧倒的に楽ですね。さらに一般的なトレイルでは必須となる、押し担ぎや長い登りを自走する事も考えますと、Stanceではちょっとキツイかも。

「帰りのクルマの運転とかそんなの関係ねぇ!」

いずれにしましても。MTBライドを1日中楽しむ為には、ロードバイクなどで数時間のロングライドを走れるぐらいの基礎体力があると、たくさん走れてその分上達も早い気がします。サイクリング初心者がいきなりMTBライドに挑戦するとなりますと、このあたりの体力問題がハードルになる気がします。なお、ダウンヒルの選手もロードバイクでトレーニングすることがあるそうですよ。彼らは我々が理解しがたいような下りをこぎも入れながら攻めて、コンマ1秒を競いますし、普段のコース練習はもちろん、大会では試走を含めて何本もそういったコースを走るので、持久力がある程度必要になるのでしょうね。

と、いう事はですよ?

普段からロードバイクでがっつり走っている方は、MTBにおける体力面でのハードルは低くなるという事になりますね。舗装路を走るのとは異なる難しさや、MTBライド特有の意識を理解することも必要になりますが。そのあたりは最後の【あとがき】でお話する条件でカバーできますし、対して体力面はすぐにどうにかできるものではないですからね。

そうそう。私がStanceに乗っている間、ほかの方々もTalon 1 を試乗されていたのですが。

「え、Talonってオフロードでこんなに良く走るバイクだっけ?」
「本体価格13万円でこれだけ走れるなら十分かも」

と、ほとんどのスタッフが驚いていました。

さて、時刻は15時半を迎えて講習会は無事に終了いたしました。

満面の笑みを浮かべるこちらの方。私より前に今治店にも在籍し、現在は名古屋店で勤務しているMTBフリークなスタッフです。じつは今回講師を務めた清水一樹選手が10歳ぐらいの時より面識があるとのこと。当然ですが、ご自身もMTBに乗るのも教えるのも非常に上手です。イメージと致しましては、ザ・丁寧オブ丁寧なスタッフです。

 

【あとがき】

まずは今治店から参加した2人の率直な感想から。

スタッフ川村:「最高に楽しかった! これは新型Talon 1も買っちゃおうかな?」

スタッフ小笠原:「うーーん、僕は今回だけでもう十分ですかね…」

はい。まぁ予想はしておりました。サイクリング自体もそうですが、こういったスポーツ要素の強いアクティビティは、人によって感じ方が異なるのも当たり前です。むしろスタッフ小笠原は今回よく頑張って同行してくれました。今週末は心ゆくまでモンハンの新作に勤しむがよろしい。(あとで聞いたら初日だけで17時間プレイしたとか)

わたし自身、生まれ育った関東平野を出たあと数年のあいだ関西で暮らし、現在はこうして今治で暮らしているわけですが。その中でいずれの土地でもMTBとローカールトレイルに触れる機会がございました。そのうえで感じたことを正直に申し上げます。

わたしのようなコアなロードバイク経験者はもちろん、サイクリング初心者にとっても。ゼロからMTBを初めてしっかり楽しむ為には、乗るための環境はもちろんのこと、人との出会いやローカルのコミュニティーにも恵まれている事が必要不可欠だと強く感じます。そして、それがMTBを楽しむうえで最大にして唯一の壁になっているとも感じます。わたしは自転車業界に勤務している影響もございますが、いずれの土地でも恵まれた条件で、MTBに触れる機会を得ることが出来ていたのだと認識しています。これは本当にありがたいことです。

「八幡浜市民スポーツパークにある常設MTBコースを走る数年前のわたし」

そこで理想的なのは、初心者から中級者の方がいつでも利用できる様な常設コースに行き、まずはそこでMTBを楽しむこと。最近では常設コースにレンタルバイクも配備されているので、いきなり自分で新しくMTBを購入しなくても大丈夫です。そこで楽しくなったら購入すればいいだけのことです。その中でいずれ生まれる人との交流を通じて、諸々の事情が絡んでいて初心者にはハードルの高い、ローカルトレイルに連れていってもらうというのが、MTBをゼロからはじめてもすっきり楽しむ一つのスタイルではないでしょうか。ここは今回の講習におけるテーマでもありました。

そもそも、初心者がいきなり山のトレイル、とくにシングルトラックに挑んでしまいますと、あまりの情報量の多さに疲れ切ってしまい、大半は楽しむ余裕も無くて挫折する。というのが、わたしの経験上にもございます。そのキツさを楽しめるのはごく一部の人だけですから。

ということで、一般的にはなかなか難しいカテゴリーのサイクリングではございますが。

MTBライド、ハマる人はぜったいに夢中になります!

それではまた次回のサイクリングで。

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