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【スタッフの新バイク】で、実際どうなのTCR ADVANCED SL2024年2月22日

こんにちは。今治店スタッフの川村です。

新フレームに乗り始めてひと月が過ぎました。

【スタッフの新マシン】待たせたな、TCR

ということで。

せっかくですし前回よりも更に詳しく、

このフレームの乗り味をご紹介いたします。

リムブレーキロードの選択肢がどんどん減り、

ディスクブレーキロードが全盛となる今。

時代的にかなりニッチで誰得な内容になりますが、

「リムのハイエンドは気になるけど、

次のバイクはディスクにしようか迷っている」

という往年のロードバイク乗りの皆様へ。

少しでもご参考にしていただければ幸いです。

 

まずはずばり、ほとんどの方が気になる部分から。

Q1.フレームが変わって速くなったのか?

ロードバイクという乗り物を嗜む以上、

ここは多くの方が気になる部分ですよね。

ハイエンドへのアップグレードとあらば尚更です。

ご期待通りの回答を申し上げます。

A.このフレーム、すごく速いです。

すみません。

語彙力のかけらもない感想ですが、

この一言しか思い付かなかったのが本音です。

もとよりTCRは生粋のレースバイクな訳ですし、

そのハイエンドモデルともあれば速くて当然です。

そこに加えて下位モデルのADVANCEDや、

ADVANCED PROの走りも非常に優秀なTCR

私自身も8年間ADVANCED PROと共に走り

ほぼ不満もなく走ってきた1人。

さらに。

「レースに出るのも年1、2回程度だし、

自分はADVANCED SLに乗らなくてもいいかな」

というハイエンドモデルに対する謙遜がありました。

ですが。

実際にADVANCED SLはすごく速い。

そこそこな踏力で適当に流して乗ると、

ただ単に軽いだけのロードバイクですが。

※画像から想像してください。

「ここは踏んでいくぞ!」

と気持ちと乗車姿勢をスイッチしたところから、

滞りなくバイクが加速しつつ巡航速度を上げ、

そこから更にもうひと伸びする余裕があります。

加えてガンガン踏み続けても脚が削れにくく、

高い巡航速度を維持しやすくなりました。

これが楽しくないわけがありませんよね。

さらに「剛性はすごく高いけど脚を残せる」

このあたり過去に所有したADVANCED SLとは、

印象が大きく変わった点でもあります。

下りを惰性で走行する際などは、

「おぉ?ここからまだスピードが伸びる!」

といった感じで少し驚くところも。

この平坦や下り坂で発揮されるスムーズな加速性能。

歴代のTCRシリーズとは異なり、

どちらかと言えばエアロロードに近い感覚です。

これも第9世代TCR開発過程において、

風洞実験で空力を磨き上げた効果なのでしょうか。

このリムブレーキ仕様のフレームでも、

そのあたりがしっかりと反映されていました。

今回はホイールからコンポーネントまで、

全て同じものを載せ替えておりますし、

これはフレームの性能差に間違いはないでしょう。

空力性能向上で得られる恩恵について、

エアロロードのPROPELと比較した場合。

それぞれ実走行で明確な差を出せるのは、

平均速度が極めて高いライドに限られるかと。

プロチームがPROPELをメインに乗っているのは、

そういった観点もあるのでしょう。

 

Q2.登りでの走りはどうなの?

ここも気になりますよね。それは当然。

A.非常に軽いです。

先代TCRのヒルクライム性能も優秀でしたが、

第9世代になってもそのあたりは変わらず。

シッティングでの走行感も十分軽いですが、

サドルから腰を上げてペダルを踏み始めると、

先代からの進化した部分が顔を見せます。

ダンシングでバイクが進むときの爽快感、

これこそ第9世代TCRの真骨頂です。

※画像から想像してみてください

長い登りで脚を貯めるときに使うダンシングは、

より長い時間、軽い踏力で速度を維持できます。

ハンドルの振りも軽く上半身への負担も少ないです。

※画像から想像してみてください

ギアをあげて上半身の筋力もバイクに捻じ込み、

頂上までガッツリ追い込む攻めのダンシングでは、

磨き抜かれた重量剛性比を余すことなく発揮します。

ヒルクライムを嗜むサイクリストでしたら、

これは間違いなく好きな乗り味です。

レースの実績や自己ベスト更新が目的なら、

お乗りいただいて損はないはずです。

私自身、もっと早く乗り換えていれば良かったです。

 

Q3.コーナーリング性能はどうなの?

A.程々に鋭く、そしてよく曲がります。

直進安定性については先代のTCRと同様か、

わずかにクイックになったようにも感じます。

軽めの体重移動を意識する事で、

曲がりたい方向にスッと車体が切り込みます。

※イメージ

コーナリング中の挙動についても、

細かな体重移動に素早く反応してくれるので、

下りのワインディングが非常に楽しいです。

コントロールに対して素直な挙動なので、

レインコンディションでも安心感があります。

さすがトータルレースバイクです。

 

Q4.乗り心地はどうなの?

A.レーシングモデルとしては非常に快適です。

GIANTのカーボンロード3車種のなかでは、

「新型DEFYには若干劣るがPROPELよりも快適」

そんな印象です。そのうえで、

フレームの振動吸収性や減衰性については、

先代TCRよりも向上していると感じています。

※イメージ

たとえば舗装がひび割れ、路面も荒れ気味な道。

路面の凹凸で多少バイクが跳ねやすい場面でも、

身体の動きをしっかりとペダリングに割り振れるので、

以前よりも推進力を維持しやすくなりました。

DEFYのように丁寧に振動を吸収するというよりは、

細かい振動を素早く拾って弾き返すような乗り味です。

ゆっくり楽をするための乗り心地というよりは、

より速く走るための乗り心地といった感じですね。

このあたりはQ1.の解答にも反映されています。

フレーム本体の進化に加えて、

気に入った点がフロントフォークにあります。

先代TCRのOD2フロントフォークも高剛性でしたが、

体重の軽い私には若干突き上げ感が強い印象でした。

素材を含めて新設計になったフロントフォークは、

ダンシングやコーナリング時の剛性をそのままに、

ハンドルに伝わる突き上げ感が軽減されています。

これはロングライドでの疲労軽減に効果大です。

 

最後に。

このタイミングでフレームセットを組み替えて、

実際に走らせてみた感想を一言。

「ディスクロードの導入を良い意味で逃した」

昨今のロードバイク事情から察するに、

TCRが次のフルモデルチェンジを迎えるとき。

リムブレーキが残る可能性は低いでしょう。

ハイエンドモデルをご検討いただく場合は、

ぜひともお早めに。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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