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【CADEX】測って乗ってCADEX RACE GC タイヤ ※追記あり2024年5月23日

こんにちは。今治店スタッフの川村です。

CADEXが発売するオンロードタイヤとしては、

3作目となるチューブレスレディタイヤ。

CADEX RACE GC

今回はこのタイヤについて、

その製品仕様と走行感についてご紹介します。

まずはタイヤサイズについて。

◇ディスクブレーキ

◇ワイドリム

◇ワイドタイヤ

最新バイクはこの3要素が主流となり、

今作のGCタイヤについても28Cのみとなりました。

ただし実際に測ってみると…

 

まずはタイヤを構成する素材について。

トレッドコンパウンドにはCADEX RR-Sを採用。

以前からCADEX RACEに採用されてきたもので、

シリカベース特有の低い転がり抵抗に加えて、

ウェット路面での高いグリップ力が特徴的です。

路面を捉える感触については、

少しモチっとしたタイプのタイヤになります。

こちらのタイヤコンパウンドと合わせて、

注目は走行感に大きく影響するケーシングです。

これまでのCADEXタイヤは170TPIでしたが、

それを上回る240TPIを新しく採用しております。

コンパウンドやゴムなど他の要素も影響しますが、

一般的にはTPIが大きいほどケーシングは細かくなり、

しなやかかつタイヤ内部の摩擦ロスも少なくなります。

実際に触って比べてみるとその差は歴然でして、

CADEX RACEやCADEX AEROと比較すると、

驚くほどトレッドが柔らかくしなやかです。

折角なので実測重量も確認してみましょう。

こちらの個体は287gでした。

なお、CADEX製品ホームページでは279g

タイヤという製品の性質を考慮すれば、

この程度は個体差、ということにします。

それに28Cでこの重量でしたら軽量級でしょう。

そう、これが実測で28Cだったなら…

 

さて、ホイールに組み付けてみましょう。

今回装着したのはこのホイールセット。

CADEX 36 リムブレーキモデル

巷ではもはや絶滅危惧種とさえも言われている、

本気の性能を誇るリムブレーキホイールです。

リムブレーキ用としては最大限までワイド化された、

内幅22mmのカーボンフックレスリムを採用。

リムブレーキバイクの可能性を最大限に引き出します。

 

ここで。

【タイヤ交換のコツ】

タイヤ交換をスムーズに行う為には、

まずリムの中央にある溝を使用します。

ここにビートをしっかり落とし込み、

バルブ周辺を最後に収めるようにします。

ちなみにタイヤを外す際も同様です。

組付けも取り外しもタイヤレバーの使用はNG

仕組みと手順をしっかり理解して、

コツさえ掴めば最後の部分も片手で組付け可能です。

べつに私が腕力ムキムキなわけではありません。

この辺りは経験がものをいう作業です。

フロアポンプでもビート上げができるのか?

せっかくなので試してみたところ。

最初のポンピングからタイヤが膨らみ、

3.5~4barあたりでリムにビートラインが揃いました。

これなら自宅でも交換作業が容易ですし、

一般ユーザー目線として評価できる点ですね。

フックレスリムとの一体感は抜群で、

空力的メリットに加えてタイヤ剛性の点でも、

非常に期待値が高まる印象です。

 

【チューブレスタイヤあるある】

チューブレスレディタイヤにも様々なものがあり、

交換作業にフロアポンプなんてもってのほか。

コンプレッサーでも全然ビートが上がらない!

なんていうちょっとイマイチな製品もあります。

シーラントの量を増し増しにしないと、

夕方には空気圧が1bar近く落ちている…

なんていう製品もあったりします。

性能自体は大変優れているタイヤでも、

これだけは勘弁して欲しいところです。

その点、CADEXタイヤにはその様な不満もなく、

タイヤ組付け直後でも安心して出かける事ができます。

また、一度しっかり組付けができていれば、

急なパンクで空気が抜けたとしても、

いきなりリムからビートが外れることもなく、

走行するうえでの安心感があります。

このあたりの整備性と運用性の良さについては、

さすがの品質といったところです。

 

さて、リムへの組付けが終わりましたら、

空気圧に調整して幅を計測してみます。

ちなみにこれまで装着していたタイヤ、

CADEX AERO 25Cを改めて計測したところ。

4barで27.3mmでした。

ここは以前ご紹介した記事とほぼ変わらず。

【CADEX】測って乗ってCADEX AERO

では続きまして。

CADEX RACE GCの方を計測してみましょう。

4barで26.3mmでした。

あれ????

28C表記なのに25CのAEROよりも細くなったぞ。

(そもそもAEROも表記より太いですが)

リムブレーキロードユーザーとしては、

タイヤクリアランスに余裕を残せるので、

あまり深くは突っ込まない事にします。

【おまけ】

内幅19mmのSLR1ホイールにも装着してみると、

ほぼ25mmになりました。どういうこと?

これらの結果から個人的に推測いたしますと、

今回新登場のCADEX RACE GCタイヤ。

国産のパナレーサーやIRCが導入している、

新ETRTOのような設計になったのでしょうか?

これについては特に明言されておりませんし、

そもそも表記が28Cなので真相はわかりませんが。

 

【追記】

それから5日後。

おや、CADEX RACE GCの様子が…?

なんだかちょっと太くなっているような。

ということでもう一度計測してみると。

4barで27.3mmに成長していました。

実際にタイヤ幅が成長すること自体は、

他の製品でもそれほど珍しく無いのですが。

成長スピードがちょっと早くないか?

これ、最終的に28mmになるのでしょうかね。

 

で、こうなると悩むのが空気圧セッティングです。

CADEX AEROとCADEX 36の組み合わせでは、

3.8barあたりが最も速く快適に走れる私。

そのため交換前の予想では、

「若干ワイドになるし0.3barぐらい下げるかな」

という心構えでいたのですが。

一応は28Cというサイズ表記を頭の片隅に置いて、

実際に乗りながら空気圧を探ることに致しました。

まずは経験と実際に乗ってみた感覚を頼りに、

少し空気圧を高めに調整して乗ってみたり、

思い切って低めに調整してみたり。

◇転がりのスムーズさ

◇振動吸収とタイヤ剛性のバランス

このあたりを意識して調整を繰り返し、

最終的に4barに落ち着きました。

で、ここで空気圧ガイドアプリを使用。

私が活用するのはスラム社のシュミレーション。

体重は最近計測していないので、

身体の感覚的に多分このぐらいかな?

その他の必要項目を入力していきます。

すると…

感覚で合わせた空気圧とほぼ同じ結果になりました。

なお、余談になりますが。

 

弊社の空気圧ガイドもございますが、

こちらはかなり高めの空気圧指定となっています。

製品の指定空気圧範囲の関係上、

これは仕方ないところです。

指定圧よりも低いセッティングは自己責任でお願いします。

 

ここまでの検証をみますと、

俊敏性を求めるレーシングタイヤとしては、

◇実測タイヤ幅は細くなった

◇でも重量自体は若干増している

この2つの要素が何となく引っ掛かりますが。

ここからは実走レビューに参ります。

なお、今回の感想については、

◇CADEX AERO 25C

◇CADEX RACE 25C

この2つのタイヤと比較しております。

 

【直進性】

可もなく不可もなく。

しなやかになったケーシングと、

ほか2つのCADEXタイヤと比べて、

トレッドがより丸くなった影響か、

点よりも面で転がる感触が強くなりました。

このあたりは人によって好みがわかれるところ。

個人的には好きな部類のタイヤです。

直進性にもかかわる振動吸収性ですが、

装着前のしなやかな感触からすると、

クッション性はそれほど際立っている感もなく、

少し予想外な乗り味でした。

 

【グリップ力】

同じRR-Sコンパウンドを使用するCADEXタイヤ、

CADEX RACEと比較してもその差は明確で、

コーナリングでのグリップは非常に高く、

ブレーキ時のグリップもなかなかのものです。

これは最新の油圧ディスクブレーキと併用すれば、

大きなアドバンテージになるでしょう。

ウェット路面での安心感については言わずもがな。

 

【軽さ】

実測タイヤ幅が細くなったものの、

重量増とグリップが増した事による影響でしょう。

加速、巡航、さらにもう1段加速、そして登り。

CADEX AEROやCADEX RACEの25Cと比較すると、

「踏み込みに対する転がりの抜けの良さ」

この辺りを少し抑えられた印象です。

また他2つのタイヤと比べて、

走行感に対して空気圧がより明確に影響する印象で、

「自分とバイクにあった空気圧にピッタリ合わせる」

ここが若干シビアになったように感じます。

このあたりについてはケーシングのTIPが大きく、

しなやかなタイヤによくあるパターンです。

空気圧のセッティングが曖昧だと、

おいしい乗り味を引き出すことができません。

 

【耐パンク性】

全シリーズともに優れた耐パンク性能を誇る、

CADEXのレーシングタイヤ。

ロングライドでラフな路面もガンガン走る私自身、

CADEXタイヤを数セット使用して参りましたが、

道中でのパンクトラブルは今のところゼロ。

今回のCADEX RACE GCについても、

ほかのタイヤと同様の安心感があります。

 

【まとめ】

◇CADEX RACE

◇CADEX AERO

◇CADEX RACE GC

3つのCADEXタイヤを使用して参りましたが、

わたしの好みとしては、

「総合的な速さと快適性はCADEX AERO」

「ヒルクライムの軽さはCADEX RACE」

といった感じで使い分けています。

今回のCADEX RACE GCについては、

より一層強力になったタイヤグリップに、

走りの軽さを若干食われている感もあります。

そこはCADEX AEROの走行感と比較してですが。

(追記:5日ほど経過してタイヤ幅が少し成長したら、

なんだか少し転がりも軽くなったような…)

例えばクリテリウムなどのレースで使用するなら、

このグリップとトラクションの良さは、

大きなアドバンテージになりそうですね。

また、このあたりについては、

新型TCRのようなディスクロードに装着したり、

体格が大きく高出力を発揮できる方が使用すると、

また違ったフィーリングになるでしょうね。

ホイールとの相性については、

◇CADEX 50 ULTRA

◇CADEX MAX 40

◇SLR 0 DB HOOKLESS

この辺りとの組み合わせが良さそうです。

以上、ご参考にして頂けますと幸いです。

 

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