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【豆知識】雨の日も乗る方へ。2020年7月6日

店頭で様々なご質問を頂く中で、意外と多いものが「雨」に関することです。

「わざわざ雨の日になんて走らないよ」という方のほうが圧倒的に多いですが、

相手は自然です。いつも晴れているとは限りません。

梅雨や夏になると途中で天候が変化し、急に雨が降り始めることもあります。

「雨の日でも自転車通勤・通学で乗る」というお客様もいらっしゃいます。

そこで気になるのが、

「雨の中で乗っても壊れないの?」「細いタイヤで滑らないの?」

といった事ではないでしょうか。

今回のお話は、そんな雨に対する疑問にお答えをする内容でお送りしますが、

先に申し上げておきます。

雨の日でも。

いくつかの点にさえ気を付けて頂ければ走行は可能です。

では、どんなことに気をつけないといけないのでしょうか?

雨の日もロードバイクで自転車通勤をする今治店のスタッフ川村が、

ご質問への返答を交えてお話致します。

 

まずは「細くて溝もあまり無いタイヤで滑らないの?」というご質問について。

実際に店頭でお話を伺う中でも、このご質問がもっとも多いですね。

確かに、細いタイヤでツルっとした見た目のタイヤは、ママチャリのものと比べると心配です。

では、実際のところはどうなのでしょう?

じつは、

アスファルト舗装の上を走行する限りでは、それほど問題なく走行可能です。

もちろん、「路面が濡れている」という事を意識することが前提です。

これには理由もございます。

ロードバイクを使用して行う自転車レースやイベントのほとんどは、

余程の事が無い限り、雨が降ってきても中止になりません。

(台風や大雨警報が発令された場合を除きます。)

長距離を走るロングライドでは、その1日の中でも天候が急変することもあります。

例えば、

サーキットで行うクルマのレースの様に、ピットインして雨用タイヤに交換する。

というのは流石に無理があります。

その為。

殆どのスポーツバイク用のタイヤは乾いた路面、濡れた路面を問わず、

様々な路面状態でグリップ力に優れる素材が使用されています。

実際に、ロードバイク用のタイヤで【雨用】という商品は殆どございません。

それならば、もっと太いタイヤの方がもっと滑りにくそうにも思いますが、

実はそこにも弱点があります。

たとえば、同じように水はけ用の溝が少ない(もしくは無い)タイヤの場合。

幅が広いものほど、路面とタイヤの間により多くの水が入り込みます。

自動車で起きるハイドロプレーニングという現象を聞いたことがあると思います。

さすがに自転車の速度で、タイヤが水の膜に浮いてしまうことは考えにくいですが、

太いタイヤになるほど水はけ用の溝が重要になってきます。

近年では、ロードバイク用のタイヤにも太めのタイプが増えてきたため、

微細な凹凸や溝など、トレッドパターンを配置したものが増えてきています。

また、時には路面に大量の砂が溜まっていたり、舗装が削れて凸凹になっていたりすると、

太いタイヤによるメリットが多くなります。

 

そうしたタイヤによる違いに関係なく、常に気をつけて頂きたい場所もあります。

それは、アスファルト舗装以外のコンクリート舗装やマンホールの鉄板。

白線の上やグレーチング(排水溝の金網)の上などです。

そうした場所では、どんなタイヤを使用していても驚くほど滑ります。

自転車以外ですと、自動二輪に乗られている方の中には、

少なからず経験された方がいらっしゃる筈です。

「滑った!と思った次の瞬間、地面に倒れていた…。」

ほとんど速度が出ていない時でも、滑るときは突然滑ります。

こうした場所を通過する際には、なるべく力まず真っすぐに走行します。

ここでブレーキをかけることはもちろん、

ハンドルや車体を傾けて曲がったりしないことも大切です。

もうひとつ!

停車したときに片足を地面へ着く際も気をつけましょう。

路肩の縁石など、いつも無意識に足を着いている場所も、

濡れているときは滑りやすくなっていることがあります。

ロードバイク用のビンディングシューズを履いているときは、

コンビニや公衆トイレなどの床も滑りやすい為、要注意です!

 

道路にできた水たまりを通過する際にも、油断は禁物です。

ただの水たまりでしたらそれほど問題はありませんが、

ときどき、水たまりの下の舗装が陥没していることがあります。

こちらの写真。サイクルコンピューターの前あたりに見える水たまりですが、

よく見ると路面が陥没しています。

そんな場所にうっかりタイヤが落ちてしまうと、

パンクをしたり、最悪の場合は転倒する危険性も。

普段から通行する道以外を走行する際はとくに気をつけましょう。

 

ブレーキで減速や停止をする際にも、雨の日特有のコツがございます。

ホイールのリムを使用してブレーキを掛けるリムブレーキの場合。

ここに大量の水が張り付いた状態では、レバーの握り始めは殆どブレーキが効きません。

ホイールが数回転した後に、ようやくブレーキの効きが現れます。

雨の日はいつも以上に先の状況を見て、予め軽くブレーキレバーを握り、

リムに張り付いた水を落としておくように心がけます。

こうした雨天でのブレーキの効きに関しましては、

油圧式ディスクブレーキの性能が圧倒的に優れています。

これからロードバイクやクロスバイクをご購入される方の中でも、

雨の日も乗る可能性が高いという方には、ディスクブレーキ搭載モデルをお勧め致します。

 

続きまして。

「雨の日に乗っても壊れないの?」というご質問についてです。

故障とは少し違うかもしれませんが、雨の日と雨上がりにはパンクをする確率が増します。

殆どの道路は中央から両端へ、水はけの為の傾斜が施されています。

雨で大量の水が流れると、道路の端へ小さなガラス片や金属片、小石が流れてきます。

そうなんです。

その場所はちょうど自転車が通行するあたり。

加えて、濡れたタイヤは拾った異物が離れにくいという点があります。

雨の日も乗るという方ほど、パンク時の応急修理を習得しておくことをお勧め致します。

 

雨の中で走行することで、すぐに部品が壊れるという事はあまりございません。

スポーツバイクの部品類は、雨天での使用をある程度は想定されています。

ですが、やはり晴れている日に比べると、部品の消耗が早くなります。

ギアやチェーン、ブレーキシューのほか、

リムブレーキの場合はホイールリムも乾燥時よりも早めに摩耗が進行します。

さらに長期的にみると、ホイールハブやクランクBB、ヘッドパーツなど、

ベアリング類にも影響が現れてきます。

例えば、1度のライドで雨に降られた程度でしたらさほど問題ありませんが、

雨天の中を連日乗るような方の場合、その影響が大きくなります。

 

「乗った後もそのまま」では部品も長持ちしません。

しっかり水を拭き取り、変速機の隙間やチェーンに注油をすることで、

部品の寿命をのばすことができます。

雨の日が続く場合は、ひとまず各部品に最低限のオイルを注油します。

天候が回復した際は洗車で汚れと古い油を洗い流し、再度新しいオイルを注油しましょう。

また、定期点検もこまめに実施することで、「これぐらい乗ったらそろそろかなぁ」という、

消耗品の交換時期を把握する目安にもなります。

 

 

最後になりますが、自転車以外にも大切なことがもう一つ。

近年、想像をはるかに上回る大雨が降ることが多くなりました。

2年前の豪雨では、しまなみ海道でも土砂崩れによる被害が発生しています。

そういった場合、何よりも優先するべきなのは、身の安全を確保することです。

例えば、自転車通勤で利用しているルートの河川が増水していたり、

ルート周辺でいつもと異なる変化を感じるような場合には、注意が必要です。

交通機関の運休などに影響を受けることなく移動できる手段ではありますが、

上記のような状況においてはリスクも伴います。

くれぐれも気をつけて頂ければと思います。

 

ジャイアント/リブストア今治

 

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