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不可能とも言える進化を成し遂げたTCR2020年5月19日

GIANTのロードバイクの代表格であるTCRが、大きな進化を遂げて9世代目となりました。

「画期的なフレーム形状のバイク」として約25年前に登場して以来常に時代の先端をリードしてきたTCRは、軽さ・剛性・コントロール性・乗り心地これら性能の高さ・バランスの良さから総合力が高いと評され、ロードバイクの定番的存在です。

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前回のフルモデルチェンジは2015年秋に発表された2016モデル。

続いてディスクブレーキモデルが登場したのは2018モデル。

それからさらなる進化に費やされた時間は約2年半…
持ち前の高い重量剛性比にエアロ性能が加えられ、最高性能のバイクへ進化しました。

今回のモデルチェンジのテーマは

高い剛性を維持しながらさらに軽く、
かつエアロ性能を適用する事。

でした。

正直、こんな無茶な話はありません。

これらは「どれかを取れば、どれかを損なう」という関係性にありますし、そもそも軽さと硬さのバランス「重量剛性比」は2016モデルですでに極限と思えるレベルにありました。

さらに軽く?剛性を維持したまま?しかもエアロ?
こんな無茶な話はありません。

実際、開発チームも「それらのバランスが非常に難関だった」とインタビューで語っています。

▼Youtube動画より引用▼

しかしながら、GIANTはこの不可能とも言える無理難題をクリアしました。
後述しますが、今回のモデルチェンジはGIANTだからこそ成し得た進化です。

また、性能だけでなくビジュアルまでも熟案されています。

必要最小限に突き詰められたミニマムでありながら、強大なパワーを発揮するTCR。

その強さを表現するためのダイナミックなラインを前方に引いています。

TCRの特徴であるコンパクトフレームのラインは滑らかに美しく。

これらはGIANTが打ち出した「TENSIO」と言うデザインコンセプトに則ったものです。

約2年半を費やして完成されたTCRのフレームは、軽量・高剛性・エアロダイナミクスこれらトータル性能が詰め込まれ、強さと美しさの造形美までも突き詰められている至高の逸品となりました。

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クローズアップ

 

先述しましたように

軽さ
剛性
エアロ
操作性
乗り心地

これらはシーソーのような関係で、どれかを取ればどれかを損なう関係なのです。

簡単な例として

・軽くするには細く薄く…すると剛性は下がる。
・エアロ形状にすると…重たくなる。
・乗り心地を良くすると…剛性は下がる。

これらのバランスを高いレベルで追及するのがどれだけ難しい事か。

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では、どうやって解決したか?

  1. チューブ形状の抜本的な見直し
  2. 素材のアップグレード&新工法
  3. ディスクブレーキ専用化
  4. 周辺部品とのトータル設計

これら4つによってクリアしました。

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★チューブ形状の見直し★

各チューブをこれまでの涙型形状から「楕円の後部を切り落としたカムテール形状」に変更。
これはPROPEL(同社エアロロード)からのテクノロジーです。

TCRの剛性の象徴ともいえる四角いダウンチューブもカムテールに近い形状に変更されています。
もちろん剛性はそのままに。

カムテール形状を各所に配置しつつ、形状や太さを吟味する事で剛性を維持したままエアロ性能を持たせる事に成功しました。

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★素材のアップグレードと新工法★

エアロと剛性の両立はチューブ形状により解決できましたが、軽量化の課題が残ります。

これは、ロボットによる新工程と素材自体のアップグレードにより解決されました。

ご存じでしょうか。
カーボンフレームは、切り分けたカーボンシートをペタペタと貼り重ねて形作ります。

まずカーボン原糸を集めて樹脂を染み込ませ、シート素材「プリプレグ」を作り…

そのプリプレグから細かなシートを切り出して、設計通りに貼り重ねていきます。

新型TCRでは、必要とする全500ピースのうち150ピースをロボットのレーザーカットによって切り出し、積層させる工程を加えました。

 

この新工法のおかげでシートの形状・枚数を最適化でき、さらにとても小さなシートの正確な積層が可能となり、結果として新フレームは旧フレームよりも約140gの軽量化に成功しました。

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140gという数字はごく僅かに思われるかもしれませんが、フレーム全体重量の約10%に相当しますので「すでに削ぎ落されたあのフレームから、よく140gも軽くできたな」と言えるスゴイ減量なのです。

しかも、重量剛性比を維持しエアロ性能を加味したうえで。

これらは今後のフレーム製造のスタンダードになりえるような内容で、カーボンフレームを原糸から作り上げるGIANTだからこそできることなのです

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★ディスクブレーキ専用化★

操作性については「TOTAL CONTROL」と言うテーマが掲げられており、これはディスクブレーキの採用とディスクブレーキ化する事によるフレーム形状の最適化により実現されています。

ディスクブレーキを採用する事で絶対的なブレーキパワーとあらゆるコンディションでの制動性能を確保。

さらにフレームの設計をディスクブレーキ仕様へ傾倒する事で、リムブレーキではなし得なかった重量剛性比を得られ、高速走行時やハードブレーキング時における安定した操作性を持たせる事ができました。

ちなみに、ディスクブレーキ専用化と言う視点での新しいフレーム・フォーク形状は空力や乗り心地にも貢献しています。

かつてリムブレーキ本体が取り付けられていた部分は、ブレーキ本体が無くなった事と新フレームのチューブ形状とが相まってエアロ性能アップ。

さらにリムブレーキ本体による“幅の制約”が無くなりワイドリムのホイールを装着できるようになった事から、タイヤのエアボリュームが増えて乗り心地もよくなっています。32mm幅のタイヤを装着する事もできるようになりました。

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★トータルデザイン★

かなりのボリュームになりましたが、ここまではフレームの話です。

今回のTCRでは変速とブレーキ以外のコンポーネントを一新することで、トータルでの完成度をさらに高めています。

しっかりとした剛性を得つつ振動吸収性も持つハンドル&ステム。

体をしっかりと受け止めつつスムーズに脚を動かせるショートデザインサドル。

リム・ハブ共にリニューアルされた軽量で高回転の高剛性ホイール。

新型TCRフレームの性能を最大限に発揮するコンポーネント達です。

 

#TOTAL RACE BIKE

TCRは1997年に登場して以来、常に時代の最先端をその身に纏い続けています。

そしてこの9世代目への進化にて、

ただでさえ難しい重量剛性比の限界を突破しつつ、
エアロ性能を持たせることにも成功し、
これら不可能ともいえる進化を成し遂げて、

まさに最高性能のバイクになりました

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このTCRを通じて、1人でも多くの方にGIANTの情熱・最先端のテクノロジーに触れていただきたく思います。

興味を持たれましたら、ぜひ当店へお越しくださいませ。

試乗車【TCR ADVANCED PRO1 Disc】にてご体感いただけます。

 

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参考

GIANTJAPAN TCR特設ページ

「TCR」がフルモデルチェンジ 〜6シリーズ11製品に加え、新型ホイールやサドルも発表〜

メディア紹介

cyclowired: 新型TCR特集記事掲載

Youtube

▼TCR開発ダイジェスト▼

▼TCR開発秘話▼
(スマホの方はタイトルからYoutubeへ移動していただき、再生画面右下の設定から自動日本語翻訳による字幕を表示できます)


▼カーボンフレームができるまで▼