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【スタッフのメンテナンス】ブレーキシューを交換しました2022年8月6日

「すいかは飲み物です」

こんにちは。今治店スタッフの川村です。

お塩をふって食べますと、運動で失われる水分と塩分の補給にピッタリですよね。

 

さて、自転車通勤とサイクリングで乗っている愛車。

ミニベロのTEN

前回の【スタッフのメンテナンス】ではチェーン交換をしました。

チェーンの摩耗について、少し踏み込んで紹介しております。

宜しければご覧ください。

【スタッフのメンテナンス】チェーンが伸びるってどういうこと?

今回は表題のとおり。

ブレーキシュー交換の機会があったので、その様子について【豆知識】を交えつつご紹介します。

まず、『ブレーキ』の種類について簡単に説明します。

従来のスポーツバイクには、ホイールリムにブレーキシューを押し付け、

制動力を発生する『リムブレーキ』が採用されて参りました。

(写真以外にはカンチブレーキというタイプもございます)

対しまして、最近よく見かける様になったのは『ディスクブレーキ』

ホイールハブに備えられたブレーキローターに、

ブレーキパッドを押し付ける仕組みとなります。

その仕組みとして、

◇油圧式

◇機械式(ワイヤー式)

以上の2種類がございます。

 

私のTENに使用されているブレーキは、

通称『Vブレーキ』と呼ばれるリムブレーキ。

ブレーキレバーを握り込むとケーブルが引かれて、

左右に配置されたブレーキ本体が動作します。

これにより、ブレーキシューをリムに接触させます。

ブレーキ本体はもともと左右で独立していて、

ブレーキレバーからのケーブルで繋がれています。

ブレーキ本体には、棒状のバネが組み込まれています。

バネにはブレーキ本体を外側へ戻す弾性が働いており、

ブレーキレバーを緩めると元の位置へ戻る仕組みになっています。

【豆知識】

Vブレーキはシマノ社の商標ですが、

同様の仕組みで動作するブレーキの「固有名詞」として国内では広まっております。

 

ブレーキシューの摩擦材(すり減る部分)には、

おもにゴムと樹脂類が使われています。

この部分。

雨の日などブレーキ周辺が濡れていると、制動時の摩耗が非常に早くなります。

私のミニベロTENは、雨天の自転車通勤で乗る機会も多く、

走行距離に対してブレーキシューの摩耗は倍速で進みます。

ブレーキシューが摩耗してくると、制動時のブレーキレバーの握りが深くなってきます。

(左の写真が摩耗後)

その際はレバーのこちらの部分。

アジャスターボルトを使ってケーブルを引くことで、握り具合を調整することができます。

アジャスターボルトは半時計方向へ適量回します。

雨天の中でのロングライドになると、この調整を1日に何度も行うこともあります。

私のTENも調整を繰り返しておりまして、

この度、ブレーキシューの交換に至った次第です。

使い込んだブレーキシューと、新品のブレーキシューを比べてみましょう。

◇新品

◇摩耗済み

その違いは一目瞭然ですね。

摩耗による制動力の低下も感じていました。

標準装備されているのはテクトロ社のブレーキですが、

交換にはシマノ社製のブレーキシューを使用します。

リムとの接触面には溝が設けられておりまして、摩耗で段差が浅くなってくると交換時期です。

このブレーキシューには、上下の向きがあります。

【正しい例】

ブレーキシューとリムの曲線を合わせます。

【失敗例】

リムとブレーキシューの曲線が合っていません。

流石にこれはおかしいですよね。

 

なお、ブレーキシューの種類によっては、進行方向に対する指定があるものもあります。

たとえばこちら。

「カートリッジ」と呼ばれている、摩耗材のみ差し替えるタイプです。

RやLまたは矢印が表記されていますので、それに従って組付けします。

さらに。

このカートリッジタイプで気をつけたいのが、

ブレーキシュー台座の向きです。

【正しい例】

写真はフロントブレーキ、右側がバイクの進行方向です。

つまり、ホイールの回転方向です。これなら大丈夫。

【失敗例】

交換用スリットにご注目ください。

ホイールの回転方向に向いています…(冷汗)

制動時にブレーキシューが発射します。

DIYでシューの交換をされた車体など、大会のメカニックブースでも時々見かけます。

くれぐれも気をつけてくださいね。

 

新しいブレーキシューに交換する前に、

ブレーキレバーのアジャスターを時計周りに回して元の状態に戻します。

ブレーキ本体に取り付ける際は、

ワッシャーとスペーサーの向き、位置を確認。

この皿型ワッシャーとスペーサーは、

シューの角度調整をする際に重要な存在です。

固定ナットとボルトに少量のグリスを塗っておきます。

ブレーキシューがずり落ちない程度に固定ナットを仮止めします。

この状態で左右のブレーキシュー位置を微調整。

ブレーキシューがタイヤに接触していたり、リムから大きくはみ出していないか。

目視でしっかり確認します。

【豆知識】

ブレーキシューとリムの接触面は、ぴったり揃えることが基本になります。

制動時のキーーーッ‼という音鳴りや、

シューの片減りが気になる際はちょっとした追加調整を加えます。

それは、『トーイン』という調整です。

ホイールの回転方向に対して、

前方はブレーキシューとリムの隙間を狭く、

後方は隙間を広くなるように組付けます。

まず、シューの前側がリムに当たります。

制動力を増すごとにシュー後方が追従してリムに接触します。

下からみるとこんな感じです。

ロードバイク用のブレーキにはほとんど行わない調整ですが、

Vブレーキの場合は施すケースが多いです。

(最近では珍しくなったカンチブレーキには必須です)

ブレーキシューの角度と位置が決まったら、固定ナットを締め付けて完成です。

左右のブレーキシューとリムの間隔、リムにシューが接触するタイミングは、

左右のバネそれぞれの強さを調整することで、バランスを取ります。

【豆知識】

ちなみに、リムブレーキもディスクブレーキも摩耗するのはシューやパッドだけではないんです。

ホイールリムやブレーキローターも摩耗します。

積算距離や走る環境などで、交換頻度に差があります。

半年ごとの定期点検で状態を確認するのがお薦めです。

また、油圧式ブレーキの場合には、

1年~2年ごとにブレーキフルード交換を推奨します。

どんなに高性能なスポーツバイクでも、

消耗品交換を怠っているとその性能を発揮することはもちろん、

走行時の快適性も損なわれてしまいます。

安全に楽しく、快適にお乗り頂くために。

ときどき愛車の状態を確認して、サイクリングを楽しんで頂ければ幸いです。

 

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