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【新型TCR】優等生も程々にして欲しい2024年4月6日

こんにちは。今治店スタッフの川村です。

歴代TCRの特徴を継承しつつも、

レースバイクにおける現在のトレンドを盛り込み、

第10世代へ進化を遂げたTCRシリーズ。

皆様はもう実車をご覧になられましたか?

第9世代(リム最終モデル)に乗り始めた私自身も、

新型TCRの走りはやはり気になるところです。

百聞は一見に如かずということで、

先日こちらのモデルに試乗してみました。

TCR ADVANCED PRO 2

¥57,2000(税込)

ワイヤー引き仕様のシマノ105をメインコンポとして、

クランクセットにはパワーメーターも搭載。

こちらも新登場 SLR 1 40 ホイールセットを装備。

後々のカスタマイズを含めてイメージが膨らむ、

非常にバランスの良いグレードです。

当店の試乗車に新しく配備された車体でして、

フレームサイズはSサイズとなっております。

(スタッフ川村は普段XSサイズに乗っています)

乗り味に対する率直な感想に参ります。

前作TCR ADVANCED PROと比較した場合。

それほど大きな違いを感じませんでした。

え、そうなの?

と思ったそこのあなた!

誤解を招かないように付け加えますと、

「直近3世代のTCRがあまりにも優秀すぎる」

現代のカーボンロードとして既に完成しており、

劇的な性能アップを体感できなかったのですよ。

私の感想はそこに集約されています。

もはや至高の領域といった感じで、

革新的なフレーム素材でも開発されない限り、

これ以上の超進化は難しいのではないでしょうか。

インプレッションをする側としても、

書く事が無さ過ぎて困ってしまいます。

まったく優等生も程々にして欲しいところです。

少々脱線しましたがお話を戻しましょう。

『ヒルクライム性能が進化した第8世代』

『ディスクロードとして進化した第9世代』

どちらのフルモデルチェンジにおいても、

初めて試乗した際には強烈な印象を受けました。

それぞれで驚いたのがセカンドグレードの進化。

「ADVANCED PRO」の性能向上でした。

先代のモデルチェンジに比べてしまうと、

今回は若干物足りなく感じてしまいます。

それに加えて。

昨年フルモデルチェンジした『DEFY』

新型DEFY ADVANCED PROに乗ってみました

大幅な剛性アップと軽量化で、

速いエンデュランスロードに進化しました。

2022年フルモデルチェンジした『PROPEL』

新型PROPELに乗ってみました

空力と剛性の向上に加えて大幅な軽量化で、

プロチーム乗車率NO.1のエアロロードに進化。

どちらのモデルチェンジも衝撃的で、

今回も期待せずにはいられなかったのですよ。

すでに完成の域に到達していたTCRにとって、

そこは予想できた点とも言えますが。

それでも。

レーシングバイクらしいキビキビとしたハンドリング。

ペダリングに対してスパッと加速する剛性と軽さ。

DEFYにも負けず劣らず優秀な振動減衰性能。

相変わらず乗り物として非常に楽しい!

そこにTCRの変わらない魅力があります。

乗り物を自分の意思で走らせる事の楽しさ。

ロードバイクの魅力が詰まっています。

まさに「トータルレースバイク」

生粋のレーシングモデルでありながら、

多くのホビーサイクリストにも愛され、

この第10世代に辿りたどりついたTCR

私もそんなTCRシリーズと走ってきた1人です。

今年はじめから乗りはじめた第9世代も、

十分過ぎるほど軽くて速いですが、

仮に私が第10世代TCRを購入するとしたら。

走りの質感、更なる速さを貪欲に求めるのなら、

最上級グレードのADVANCED SLに乗りたい!

これに尽きます。購入予算は別としてですが。

ADVANCEDフレームの走りも優秀ですが、

困ったことに欲が出てくるんですよ。

たくさん乗れば乗るほどに。

【スタッフの新バイク】で、実際どうなのTCR ADVANCED SL

※第10世代にはリムモデルがございません。

このあたりの価値観については、

・アルミフレームからのステップアップ

・さらに数世代前のTCRから乗り換える

・他ブランドのバイクから乗り換える

・そもそもロードバイクに何を求めるのか

などなど。

乗る方によっても選択が異なる部分です。

 

そんな誰が乗っても優等生なTCR

今回の完成車で気になっていた箇所がひとつ。

ADVANCED PRO以上に採用された、

新形状のフレアドロップハンドルです。

初めて目にする方にとっては、

きっと「なんだこれ?」ってなります。

・ブラケット部分の幅は370mm

・下ハンドルの幅は400mm

エンデュランスモデルのDEFYに付属するものや、

グラベルバイク向けの製品に比較しましても、

かなり極端な寸法を採用しています。

その使い心地について申し上げますと、

「癖のあるハンドル」というのが率直な感想です。

ライトユーザーにとっては攻め過ぎな気がします。

完成車でしたらブラケット部分の幅は390mm

下ハンドルの幅が400mmにして欲しかったです。

この新型フレアドロップハンドルですが、

ADVANCED PROグレード以上に装備されています。

ADVANCEDは従来の形状を採用しています。

 

【ハンドル形状の豆知識】

レース中の事故を誘発するなどの理由で、

近年のロードレースにおいて禁止されたのが、

ハンドル上部に肘から先を置くエアロポジション。

(トップチューブに跨るスーパータッグを含む)

そういった規則の変更に従いつつも、

類似するエアロポジションをとるために。

選手たちの間で使われはじめたのが、

従来よりも極端に幅の狭いドロップハンドルです。

合わせてブラケットも内側に傾ける、

新エアロポジションが流行しています。

あれ、倒した際に曲がったわけじゃないんですよ。

ただしハンドル全体を極端に狭くすると、

スプリントなど下ハンドルを活かす際に不便。

ということで採用されたのがフレア形状です。

 

通常の上下幅が同じハンドルと比べて、

持ち替えやすいかな?と予想しておりましたが。

そこにはやはり少し違和感がありました。

ブラケットから下ハンドルへ持ち替える際。

ここで独特な癖を感じる瞬間があります。

左右順番に持ち替えようとすると、

ハンドル支点との距離が大きく変化するため、

従来よりも若干ふらつきやすい印象です。

なお下ハンドルから持ち替える際は、

それほど気になりませんでした。

両手同時に持ち替えることができる方なら、

スキル、フィジカル的に問題ないでしょう。

ブラケット部分を握って走行した際の感覚は、

綺麗に走っているときはそれほど癖も無く、

シッティングでの登りは思いのほか快適です。

ただし不意に横風を受けたときや、

ギアを上げてダンシングをするとき。

突然イレギュラーな場面に遭遇して、

瞬間的に回避行動を要求されるような時。

乗り手に対して繊細な動作を求める印象です。

これを乗り熟してレースをするわけですから、

プロ選手のフィジカルとスキルは驚異的です。

個人的な好みといたしましては、

DEFYに採用されているフレア形状。

・ブラケット部分の幅は400mm

・下ハンドル部分の幅は420mm

こちらの方が普段のライドで扱いやすく、

フレア形状を活かせる場面が多く感じました。

総合的な使いやすさで申し上げると、

通常のドロップハンドル形状で十分です。

今回のTCR ADVANCED PROについては、

パーツ類のアップグレードを兼ねて、

好みのハンドルに交換するのもありですね。

そうそう。ハンドル形状以外にもう1点。

数世代にわたって採用されて参りました、

自社製スピード&ケイデンスセンサー、

「RIDE SENSE」の台座が廃止されています。

・第10世代TCR

・第9世代TCR

じつはこれ、アナウンスが無かったため、

私自身もしばらくしてから気づきました。

以前からガーミンやワフー、ブライトンなど、

各社純正センサーを使われるケースも多いため、

今回より廃止されたものと推測します。

 

以上、新型TCRについて、

ご参考にして頂けますと幸いです。

 

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