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【スタッフが乗ってみた】第10世代 TCR ADVANCED PRO 12024年7月5日

こんにちは。今治店スタッフの川村です。

皆様、新型TCRには乗ってみられましたか?

当店にも試乗車を配備していますが、

その認知度がまだ低いためでしょうか。

それほど稼働していないんですよね。

TCR ADVANCED PRO 1

フレームサイズ:XS

シマノ105 Di2を変速機に採用。

軽量カーボンホイールを標準装備。

フロントフォークは最上位モデルと共通で、

軽さと剛性に優れたADVANCED SLフォーク。

レーシングモデルとして申し分のないこの1台。

せっかくなので乗ってみましたよ。

 

新型TCRは4月に1度乗っておりますが、

私には若干大きいSサイズでの試乗でした。

そのときの記事はこちらからどうぞ。

【新型TCR】優等生も程々にして欲しい

TCR ADVANCED PRO 2

フレームサイズ:S

なお、乗る方の身長に対して

フレームサイズが大きい車体の場合。

・理想的なポジションよりハンドルが高い

・俊敏さよりも直進性が際立つ

といった要素が働く関係上、

TCRの特徴を若干薄めてしまいます。

今回はXSサイズの試乗車ということで、

より鮮明に新型TCRの走りを味わえます。

ルートは今治店を起点に1時間半ほど。

平坦路のほかにアップダウンが続く区間や、

ハードな登り勾配を含むルートを走行する、

TCRにはおあつらえ向きなルートです。

 

走りはじめてさっそく気づいた点は、

以外にもハンドルの操作性の良さです。

新型TCRから標準装備になりました、

上部の幅が狭いフレアドロップハンドル。

前回試乗した際はフレームサイズが異なり、

わたしの理想的なポジションから遠く、

少し違和感が強かったこのハンドル。

(そもそも完成車のフォークコラムが長い!)

今回はそれほど違和感もなく、

ハンドリング自体も安定しています。

やはり適正なフレームサイズと、

ハンドルセッティングは大切ですね。

で、改めましてこのフレアハンドル。

ブラケット部分を握った状態でも

程々にエアロポジションが取りやすく、

思いのほか好印象でした。

そこは往年のサイクリストからすると、

「そんなもん下ハンドルを持てや!」

という声も聞こえてきそうですが。

実際に試乗などで体感していただくと

レース界隈で流行る理由も納得です。

下ハンドルを握らずとも

そこそこエアロポジションがとれる。

ハマる人にはハマるでしょうね。

ケーブル類を内装したことにより、

フレーム周りの風もスムーズに流れるのでしょう。

そうそう。新型TCRの空力性能については

開発時に風洞試験などを行っているのですが。

じつはサイクルボトルを2本搭載して

実施されているのをご存じでしょうか。

こちらがそのテスト結果。

第9世代TCRと第10世代TCRの比較で、

上列がフレームセットの状態。

下列が完成車での試験です。

40km/hで走行する際、

どのぐらいの出力が必要か検証しています。

つまりはこのときの数字が小さいほど、

少ない労力で走れるという訳です。

試験に使う風洞実験施設はこんな感じで、

そこを実際に自転車で走るわけではなく、

進行方向0°に対して左20°〜右20°の間で、

40km/hで走る際と同等の向かい風を当てます。

ちなみにもう少し低い速度域でも、

こういった開発の恩恵は受けることができます。

「ボトルは無しよりも有りの方が抵抗が減る」

という説はかなり昔から言われているのですが、

そのあたりを開発時に想定している点。

なかなか粋な計らいですよね。

 

そのほか標準装備の部品について、

それほど主張は強くないものの、

新型TCRの走りの質を高めているのが、

同時に登場したホイールセットです。

SLR 1 40 DB

ワイドリムによるエアロ性能に加えて、

前後1440gの重量で登りにも対応する、

オールラウンド系カーボンホイール。

こぎ出しのギアの掛かりも素早く、

TCRの俊敏さをより引き立てます。

ただ標準装備のタイヤは少し重量感があるため、

軽いタイヤを装着してみたいところです。

このタイヤのアップグレードだけで

走行性能が上振れする予感がします。

 

そして。

「やっぱり楽だわな」と感じたのが、

軽いボタン操作で変速を可能にする、

電動式変速コンポーネントです。

TCR ADVANCED PRO 1 に装備されるのは、

シマノの電動変速「105 Di2」

普段はワイヤー引き変速を使用する私。

一連の変速操作に伴う快適性については、

大きな差がある点を認めざる負えません。

また、レバー操作量が極めて小さい点は、

フレアハンドルとの相性もいいですね。

小指1本でもポチッと変速操作ができる、

この電動変速コンポーネント。

最近はどんどん愛用者が増えており、

各種サイクリングイベントに参加すると

けっこうな割合で搭載バイクを見かけます。

で、最近気づいてしまったのですが。

ワイヤー引き変速機を操作する際に発する、

「カッチンッ!、カチャンッ!」という変速の音。

「あれ?この音をさせているの私だけじゃね?」

なんて場面も多くなりました。

 

それに加えて電動変速で得られる恩恵が、

ハンドルバー周りの軽量化です。

ブレーキと変速操作を兼ねるこの部分。

シマノはSTIレバーと呼んでいますね。

油圧式ディスクブレーキ用レバーでは

複雑な機構を詰め込む必要があり、

内部の部品点数が多くなります。

加えてワイヤー引き変速用レバーでは、

ケーブル巻き取り機構などを組み込むため、

レバー本体のサイズ感もデカくなります。

それに対しまして。

操作ボタンや電子部品類、ボタン電池など、

軽い部品で構成される電動変速用レバーは、

重量の面でもかなり優位になります。

レバー本体も小さくスマートになるので、

とても握りやすいサイズ感になります。

・ワイヤー引き変速&油圧式ブレーキ

・電動変速&油圧式ブレーキ

それぞれ同じシマノ105のレバーで比較すると、

左右レバーの合計で約190gの重量差があります。

このぐらい差があるとハンドリングへの影響のほか、

車体の印象自体がそれなりに変わってきます。

そしてやってきました「仙遊寺」

お寺までの道は勾配のキツさで有名です。

この山門から上の区間については、

平均勾配10%を記録するのだとか。

いわゆる激坂というやつですね。

TCRを試すなら持ってこいの坂道でしょう。

で、今回久しぶりに登りましたが、

とにかく勾配がキツイんですわ!

ご覧のとおり路面がひび割れた箇所も多く、

デコボコにうまく対応しながら、

スムーズにトルクを掛ける必要があります。

なかなかハードな登りではありますが、

登る性能は十分に備わっていますので

TCRなら登れて当たり前でしょう。

リア12速化に伴いスタンダードとなった

ワイドギアの恩恵もありアウターでイケます。

(この試乗車こっそりコラムカット済みです)

で、登ったら下りも待っているのですが。

今回の試乗でもっとも印象的だったのは、

ダウンヒルにおける走行性能です。

転がり落ちるような急勾配に加えて、

舗装が劣化してひび割れた路面。

ブレーキングからのタイトなカーブ。

一連の流れが極めてスムーズ。

第9世代TCRディスクブレーキモデルでも

下りでの優位性は体感しておりましたが、

第10世代では一層スムーズさを増しています。

油圧式ディスクの軽い操作と制動性能が、

下り坂で優位なことはいわずもがな。

この下りの安定感については、

リムブレーキロードにはない魅力があります。

さきほどの電動変速と同様に、

ここも大会で目の当たりにする差ですね。

最近本当にディスクロード率が高くなりましたから。

またこのグレードから標準装備になった

ADVANCED SLのフロントフォーク。

ここが非常に良い仕事をしています。

素材として使用するカーボン繊維から、

製造工程も異なるADVANCED SLグレード。

ADVANCEDグレードのフォークに対して、

約50g軽いうえにフォーク剛性の差が明確です。

ブレーキングからコーナリングに至るまで、

極めて大きな力が加わるフロントフォーク。

アップグレードしたことで得られる効果は、

言葉で伝わりにくいのがとても残念です。

山岳ルートのサイクリングを好む方でしたら、

この性能差はかなりのアドバンテージです。

逆に単調な平坦路ばかりを好む乗り方ですと、

その恩恵を受ける場面が少ないかもしれませんね。

 

2回目となったTCR ADVANCED PROの試乗。

4月に乗ってみた時と同様でして、

「先代よりも凄く軽くて速くなった!」

という印象自体はそれほど感じないものの、

これぞロードバイクという楽しさがありました。

またカスタマイズ次第では、

一層性能を引き出せる可能性も秘めています。

以上、ご参考にして頂きまして、

ぜひ皆さまも新型TCRに乗ってみてください。

 

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