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【CADEX】高性能ハブの内部を観察してみました。2020年2月20日

遂にCADEXの試乗用ホイールが今治店にやってきました。

こちらのホイールは2/23(土曜日)と2/24(月曜日・祝日)の2日間。

店頭にて試乗会も実施致します。

詳しくはCADEXホイール試乗会のページをご覧くださいませ。

【CADEX】2/23~24 今治に初上陸。CADEXホイールの試乗会

そのお値段から性能に対する前評判まで。

当社の従来のホイールとは全く異なるCADEXのホイールセット。

我々スタッフは昨年8月の展示会で実物に触れておりますが、

「この機会に詳しく構造を観察してみたい!」

ということで。

少しだけ。

本当に少~しだけですよ?

CADEX 42 TUBELESSのリアホイールハブを

分解してみました。

加えまして。

今回はCADEXのホイールだけではなく、

2015年に登場以来、当社完組ホイールの中では最上位モデルだった

SLR 0 WHEEL SYSTEMも改めて分解してみます。

CADEXの世界最高レベルと称される構造と比較をします。

それではまず、SLR 0 のハブを分解してみます。

これまでフレームメーカーを問わず、多くの方に高評価を頂いたSLR 0

DTスイスのスターラチェットハブをベースに、

走行中のスポークテンションを最適化するDBL技術を採用。

踏み込んだ瞬間に「おぉ!」と感じるホイールセットです。

Dynamic Balanced Lacingについて、

詳しくは当社ホームページをご覧ください。

GIANT WHEELSYSTEM

 

ここで、

『リアホイールの豆知識コーナー』

ロードバイクが走行する際、

絶対に欠かせないリアホイールのフリー機構についてと、

SLR 0やCADEXに採用されるスターラチェットハブの仕組みをご紹介。

まず、従来のホイールに採用されるフリー機構について。

2つ、もしくは3つ爪タイプのラチェットが採用されています。

セカンドグレードのSLR1の他、

若干構造は異なりますが、クロスバイクなどの完組ホイールにも採用されています。

ペダルをこぐ時には爪が起き上がり、ハブ本体側の溝に引っ掛かります。

ペダルをこぐ脚を止めた際には溝の上を滑り、ホイールは空転します。

(ペダルをこいでいない時に聞こえるカチカチカチという音はここで生じます)

この爪が摩耗したり支えているバネが破損をすると、

ペダルをこいでも進まないホイールになってしまいます。

これに対しまして。

スターラチェットは2枚の板に配置された歯がバネによって合わさり、

ペダルをこぐ方向にかみ合うことで力を伝えます。

脚を止めた際には、この様に歯が滑ることで空転します。

スターラチェットは「面」で力を伝える為、

爪タイプのラチェットハブよりも耐久性に優れます。

 

それではここからが本番です。

CADEXのハブを開けてみましょう!

まず気がついた点が、アクスルシャフトに施された丁寧な切削仕上げ。

加えて、その厚みです。

非常に滑らかに仕上げられたシャフトの表面は、

アダプター部品との摩擦抵抗を低減しています。

SLR0とCADEXでアダプターを組み替えて触ってみると、

その滑らかさが良く分かります。

次に、

アクスルシャフトの厚みをSLR0とCADEXで比較してみます。

まずはSLR0

続いてCADEX

外径15mmのアクスルシャフト。CADEXではその厚さが2mm増しています。

走行中は非常に大きな力が加わる部品なので、

ここの剛性不足はベアリングの回転→ホイールの回転にも悪影響が生じます。

その為、厚みを増し、剛性を高めたことによる効果は非常に大きい筈です。

尚且つ、

主軸として不要な部分は、滑らかにシェイプアップされているところにも、

強いこだわりを感じます。

さらに驚いた部分がこちら。

はじめにご紹介したスターラチェットの構造です。

SLR0を分解すると2枚の板と、2つのバネが出てきます。

ところが、CADEXのフリー機構からは1枚しか出てきません。

もしかして?と思い、ハブ本体をよく見てみると。

もう片方はハブ側に圧入されています。

見た目からして、その構造にガッチリ感が増しています。

2枚の小さなスターラチェットで力を伝えるよりも、

駆動に対するパワーロスも減少するのでしょう。

加えて、部品点数が少なくなることにより、

万一の部品トラブルを回避できるほか、軽量化にも繋がります。

この構造が原因なのでしょうか。

1つだけ弊害があるとすれば、

フリー機構から生じる音が非常に大きい!!

これ、CADEX装着車が複数台で走行していたら、

前後の人と会話も出来ないのではないでしょうか….。

走行する場所によっては、

フリー機構の音にご配慮を頂いた方がよさそうです。

 

このスターラチェットもよく観察をしてみると、

SLR0との違いに気がつきます。

SLR0のスターラチェットは18コ、引っ掛かる歯があります。(18Tといいます)

対して。

CADEX には30コ(30T)の歯があります。

既にお気付きの方も多いかと思いますが、

スターラチェットはこの歯の数が多くなるほど、

進行方向にペダルをこぎ出した際の「掛かり」が素早くなります。

そうするとどうなるのか?

ペダルを踏み込んでバイクを加速させる際のタイムラグが少なくなり、

「ダイレクト感」や「加速の良さ」といった乗り味を生み出します。

 

因みに。

走るコースの特性上、ペダルのこぎと脚を止める動作を頻繁に繰り返す

MTB用ホイールセットのスターラチェットでは、さらに歯の数が多くなります。

 

こんなところにもこだわりを見て取れます。

SLR0に付属するクイックレリーズレバーのシャフトは

ステンレス製です。

CADEXに付属するクイックレリーズレバーのシャフトは

チタン合金製!

 

高級ホイールというと、カーボンスポークやカーボンリムなど、

軽さに関係する部分に目が向きがちですが、

ただ重量が軽いだけのホイールは高性能とも言い切れません。

(そうは言いましても、CADEXは重量も非常に軽いですが)

力を受け止める部分には、重量が多少増しても剛性を優先。

回転による摩擦抵抗が生じる部分は高精度に仕上げる。

世界最高のサイクリングコンポーネントの名に恥じない、

こだわりを見ることができました。

 

 

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